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短編小説「燃える島」14/黄健

まず、3番手宛の電文を読み終えると、すぐ次の電文に目を走らせた。 「8時47分…… 中隊長以下全員6名 手榴弾ト自動小銃ヲタズサエ岸辺ヘ向カウ 敵ハ舟艇ヨリ降リテ イッセイニ上陸ヲ開始 岩ノカゲ 爆弾…

短編小説「燃える島」12/黄健

やがて、通路の方から、李大勲中隊長を先頭に、それぞれ自動小銃と手榴弾を手にした中隊員たちの姿が現れた。貞姫は、一人ひとりの顔をじっと見た。中隊長以下全員6名、いずれの顔にもみないつもと少しも変わらぬ闘…

短編小説「燃える島」11/黄健

どうか当たってくれるようにと心に祈るのだが、相手の敵艦は、あたかも野獣の群れのようにうようよしている。マストごとにはためく色とりどりの旗は、世にまたとない醜悪で憎いものに見えた。 ついにわが方の砲弾が…

短編小説「燃える島」11/黄健

どうか当たってくれるようにと心に祈るのだが、相手の敵艦は、あたかも野獣の群れのようにうようよしている。マストごとにはためく色とりどりの旗は、世にまたとない醜悪で憎いものに見えた。 ついにわが方の砲弾が…

短編小説「燃える島」10/黄健

大勲も貞姫もいい知れぬ喜びに目を輝かせていた。 あたりは、しだいに明るくなってきた。敵弾はますます激しくまわりをゆすぶった。しかし二人は、まるで戦争は遠くのことのように、幼い時代のこと、軍隊でのこと、…

短編小説「燃える島」9/黄健

「私を許してください! どうかあなたがたと一緒に最後まで進めるように、正しい道からはずれないように、はげましてください」 貞姫は、自分の考えだけを追いながら、そらんじるように言った。 大勲は、黙って机…

短編小説「燃える島」9/黄健

「私を許してください! どうかあなたがたと一緒に最後まで進めるように、正しい道からはずれないように、はげましてください」 貞姫は、自分の考えだけを追いながら、そらんじるように言った。 大勲は、黙って机…