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短編小説「燃える島」8/黄健

2022年01月18日 11:39 短編小説

彼女は、自分のことよりもいっそう中隊長のことで胸がいっぱいだったのである。やがて大勲が思い出したように、

「きみは……」とゆっくり重い口をひらいた。

「いまからでも、帰ったほうがよくはないか……」

「どうしてですの?」

貞姫は、うつむいていた顔をきっと上げた。

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