〈明日につなげる―無償化裁判がもたらしたもの―〉弁護士たちの思い・大阪


新しい地平を開けるように

大阪無償化裁判は、2019年8月27日に最高裁が原告側の上告を棄却したことにより終結を迎えた。無償化裁判という経験、そして課題について、大阪弁護団に携わる弁護士たちの声を紹介する。(まとめ・韓賢珠)

裁判が行われるたびに、裁判所前には多くの同胞や日本市民らが集まり共に声を上げた。(写真は18年9月27日の控訴審判決日)

丹羽雅雄弁護団長

私は1970年前後の学生だが、当時は朝鮮高校生への暴力的襲撃事件が頻繁にあって、生徒たちが無事に学校にいけるようにと十条駅前でスクラムを組んで叫んだ経験がある。その頃に、明治以降の日本の植民地支配や植民地主義の実態がなんなのかということを突き付けられた。いまはそれがヘイトスピーチという形になっているが、そう呼ばないだけで50年前にも同じ状況があった。

この裁判の本質は何かとなったとき、私たちが加害の歴史にいかに向き合えるか、これに尽きる。在日朝鮮人や朝鮮学校をめぐる人権状況は、戦前の植民地支配と冷戦構造を利用した植民地主義政策を行使するいまの日本の国家と社会の反映だ。この動きのなかで、裁判に携わることが私の加害と向き合う際の立ち位置であった。これは本来、私だけでない日本国家や社会を構成する人々の未来への責任である。そういう意味で、1審判決の地平は消してはならないし、運動を続けることが非常に重要だ。続けてこそ大きな社会的・政治的変化があった時に新しい地平が開ける。

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