ウリハッキョの魅力を考える/千葉初中創立75周年記念講演会


千葉初中創立75周年記念特別講演会が9月12日にリモート形式で行われ、同校保護者や地域同胞らが参加した。

千葉初中創立75周年記念特別講演会が行われた(写真は李舜哲さんによる講演)

講演会は千葉初中創立75周年記念事業実行委員会が主催。「ウリハッキョの魅力とは?」を共通のテーマに、同校卒業生で心理カウンセラーの李舜哲さんと朝大経営学部の康明逸准教授がそれぞれの専門分野から朝鮮学校の魅力や可能性について語った。

李舜哲さんは「ウリハッキョで育てよう子どもたちの未来―民族教育の選択は人生の価値」というテーマで講演。冒頭、「『自分はどんな人であるか』というアイデンティティーが人格や能力を形作る」と指摘し「ウリハッキョでは学校生活を通じて自然と民族のアイデンティティーが育まれる。そして同じ境遇の仲間と触れあることでそれに希望をもつことができる」と強調した。

そのうえで、子どもたちがウリハッキョや同胞コミュニティーの中で在日朝鮮人としてのアイデンティティーをポジティブに育んでいることは、同世代の日本の子どもたちが体験できない、情緒豊かで自己肯定感の高い人間性の成長につながるとしながら「ウリハッキョでは教員や同胞たちが本気で子どもたちと関わって、その中で学力だけはないさまざまな能力を身につけることができる。保護者たちもしっかりと自信をもって、子どもたちをウリハッキョに送ってほしい」と述べた。

朝大の康明逸准教授は「ウリハッキョの魅力―教育力と育成される能力」をテーマに話した

つづいて「ウリハッキョの魅力―教育力と育成される能力」と題し講演した康明逸准教授はまず、現在スポーツや芸術など幅広く活躍する朝鮮学校卒業生を紹介し、「ウリハッキョ卒業生たちは社会的・歴史的存在」として自分を考えることができる強みがあると指摘。「今、自分たちが生きる時間や空間だけで完結するのではなく、過去、先代たちが蓄積してきた功績や学校を取り巻く様々な関わりを学び、経験することで、日本学校の卒業生以上に高いキャリアを築くことができる」と強調した。

康准教授はまた、ウリハッキョでは教育で理想とされている学校・地域社会・家庭の3者が協力して子どもたちを育てる「共育」が自然と行われていることについて言及。「先生や保護者、朝青や青商会などの地域同胞社会、『支える会』をはじめとした日本の支援者たちとのかかわりや実践活動で得る活きた経験を通して子どもたちは自分のアイデンティティーを確認し、それが人生や学業への高いモチベーションを保つことにつながる」とし「人数の減少や卒業後の進路など、保護者や同胞のウリハッキョについて不安を持つ方も多いと思うが、今のウリハッキョの価値や教育の質などにしっかりと目を向けてほしい」と参加者らに訴えた。

75周年事業実行委員会の朴英哲委員長は「講演会を通じて保護者、同胞らが民族教育の潜在力や朝鮮学校に通う子どもたちの可能性について考えてくれたら」と話した。

【千葉初中】