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短編小説「幸福」16/石潤基

2021年09月06日 07:51 文化・歴史

本当に僕は、狭く偏っていた自分を心から恥じたが、それにもまして、僕の周囲にそんな崇高な人間を見つけ出したことが、限りなくうれしかった。

その夜、僕が遅くまで寝つかれずに、転々としているところへ、急患を知らせに当直看護師が駆けつけてきた。病院にはよくあることなので、僕はすぐに病院に駆けつけた。案の定、2里も離れた部落から、一人の中年の婦人を牛車に乗せてやってきたのだ。すでに病院の幹部たちも来ており、玉珠さんも来ていた。

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