撒いた差別の種、直ちに回収を/DHCの差別投稿から見る企業の責任


大手化粧品会社DHCの吉田嘉明会長名義でサイトに複数掲載されていた在日朝鮮人に対する差別文章が、5月31日までにすべて削除された。同社は本紙の取材に対し「回答はできかねない」と、文書掲載や削除の理由についてコメントを避けている。差別行為に及んだ企業に対し、社会はどう向き合うべきか。

ヘイトが野放し状態に

DHC公式サイトに掲載されていた差別文章の一部(現在は削除されている)

同社サイトに初めて差別投稿が載ったのは2016年。当時、一部メディアが取り上げたものの社会問題化されることはなく、その後も吉田会長は2度にわたり同様の文章を掲載した。「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけか全員がコリアン系の日本人」「野党はコリアン系だらけ」などいずれも在日朝鮮人をターゲットにした差別表現や朝鮮人の容姿を揶揄する文言だ。

しかし、昨年以降SNSやメディアで情報が急拡散されると、消費者や同社と協定関係を結んでいた日本の地方自治体などから批判が集中した。すると同社の対応は一転。いずれの文章も削除し、一部自治体には謝罪の文書を提出した。一方で社としての公式見解は未だ発表されていない。

その後も各地の自治体では、同社による一連の問題が「人種差別」だとして包括連携協定を解消する事例が相次いだ。DHCのHPによると、災害時の連携協定を締結したり、ふるさと納税の返礼品として同社商品を採用していた自治体は今年4月時点で21社。そのうち協定を解消した高知県南国市(5月31日)や、返礼品の取り扱いを中止したさいたま市(5月25日)など、計9つの自治体が協定解消・凍結の方針を明らかにした。差別文章が削除された6月以降に協定を解消した自治体もある。茨城県守谷市は「(差別文章に)傷ついた方もいると聞いた」として8月23日に協定を凍結させた。

一方で、同社の工場が位置する北海道長沼町と静岡県御殿場市など一部の自治体では、サイトから差別文章が削除されたことを理由に協定を継続させている。

他方、同社との提携を解消する企業もあった。キャラクター「ムーミン」の著作権を管理するフィンランドの会社「Moomin Characters Oy Ltd」は、8月23日からDHCとのコラボ商品を発売していたが、SNSなどで批判を受けて同社とのすべての提携を中止したことを発表(同24日)していた。

レイシズムの扇動

各地の自治体が異なる対応を見せるなか公式な立場を明らかにしていないDHC。

反レイシズム情報センター(ARIC)の梁英聖代表はDHC会長の差別投稿とその後の一連の対応を「『劣等人種』を作り上げそれを『死なせる』チカラを働かせた、確信犯的なレイシズム」であると厳しく批判する。特に大企業によるものであったため「一般市民のそれに比べ社会に及ぼす影響力が何倍も大きい」。

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