北南連絡線はいかにして復元されたか


首脳合意、「信頼回復と和解のための大きな一歩」

7月27日、北南首脳の合意により、すべて北南通信連絡線を再稼働させる措置がとられた。通信連絡線が410余日ぶりに電撃的に復元されたことについては、北南疎通のためのチャンネルが完全に遮断されなければならなかった原因を除去するという約束が前提となったという分析が可能だ。

通信連絡線の復元は、北南関係の改善と発展に積極的な作用をするだろう。(写真は2018年4月に平壌で行われた北南芸術家の合同公演「我々は一つ」、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 疎通チャンネルが遮断された原因

北南通信連絡線の再稼働措置に関して、朝鮮中央通信社報道(7月27日)は「北南首脳は、最近数回に渡り交換した親書を通じて断絶されている北南通信連絡通路を復元することで、相互信頼を回復し、和解を図る大きな一歩を踏み出すことに合意した」と伝えた。

昨年6月、北側の対南事業部署の事業総括会議で「対南事業を対敵事業に転換」することが強調され、段階別の対敵事業計画が審議された。北南通信連絡線の完全遮断(6月9日)は、最初の段階措置であった。続いて開城工業地区にあった北南共同連絡事務所が完全破壊(6月16日)された。

一連の対敵事業が計画、実行された直接の契機は、南当局が脱北者の反北ビラ散布を黙認したことであったが、北側は、北南宣言に対する相手の背信行為を厳しく非難し、すでに2019年8月の時点で「南当局者とこれ以上交わす言葉がなく、再び対座することもない」(祖国平和統一委員会代弁人談話)と断言していた。

北側は2020年6月16日、北南共同連絡事務所を完全破壊する措置を実行した(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

北南関係の基礎であり、出発点である相互尊重と信頼に反したのは南側であった。北側の度重なる忠告にも関わらず、首脳合意に相反する外勢屈従と反北対決政策を続けた。南側で北南関係を牽引すべき人物は大統領だ。板門店宣言(2018年4月27日)と平壌共同宣言(2018年9月19日)に署名した当事者として、北南関係の現状に対して責任を担う姿勢と立場を示さなければならない。昨年6月、板門店首脳会談の成果と評価された北南共同連絡事務所が爆破された直後、北側は「南北関係を止めてはならないと言いながらも、その出発点となる自らの誤りを率直に認めることを必死に回避」し、「自己弁明と責任回避、根深い事大主義で綴られた南当局者の演説」に対して、「責任を転嫁する恥知らずな詭弁」(金与正・党中央委員会副部長談話)と断定していた。

 北南宣言の誠実な履行を

日本のメディアでは、通信連絡線の再稼働を北側の「経済難」と結びつけ恣意的に分析しているが、そこに登場する「識者」たちは、2018年の対話局面も「対北朝鮮制裁の産物」と我田引水式に解釈し、その後、自主の原則を堅持し、不当な圧力を断固排除した朝鮮の対話姿勢を正しく説明することができなかった。

「北南関係の根本的な問題から解決しようとする立場と姿勢を堅持する必要があり、相手への敵対行為を一切中止し、北南宣言を重く受け止め誠実に履行していかなければならない」

今年1月に開かれた朝鮮労働党第8回大会では、北南関係に関する原則的立場が明らかにされた。また、北南合意履行に逆行する行為が続いているとしながらも、「南当局の態度次第でいくらでも近いうちに北南関係が再び3年前の春のように全同胞が願う平和と繁栄の新たな出発点へ戻ることができる」との見解が示された。 3月に北を狙った米南合同軍事演習が強行されると「南当局がそれほど望む3年前の暖かな春の日が再び戻るのは容易ではない」(金与正・党中央委員会副部長談話)と警告していた。

南のメディア報道によると、北南首脳間で親書交換が始まったのは4月だという。親書を通じて合意された措置は「北南関係の改善と発展に積極的に作用」(朝鮮中央通信社報道)をすることになる。当然ながら、それは北南膠着をもたらした原因に対する反省と再発防止の約束を前提としたであろう。

北南関係を解決していく上での核心は民族自主だ。現在のように、朝鮮半島をめぐる情勢が複雑で先鋭化する時期ほど民族問題の解決において自主の原則を堅持することが重要だ。

2018年に世界が目撃した積極的な民族共助と妥協なき自主外交攻勢を通じて証明されたように、朝鮮は統一問題をその主人であるわが民族同士で解決するという確固たる観点と立場を貫いている。民族自主を核とする板門店宣言と平壌共同宣言は、すでに採択されており、宣言に明記された根本的な問題を履行するための実践行動が残されている。これはどちらか一方の努力だけでは成し遂げることができないものだ。

(金志永)


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