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2021年金剛山歌劇団アンサンブル公演「SOLL」、兵庫・阪神地区で幕開け

2021年07月02日 13:14 主要ニュース 動画 在日同胞 文化・歴史

“興奮さめやらない”“圧巻”の舞台

2021年金剛山歌劇団アンサンブル公演「솔 SOLL」

2021年金剛山歌劇団アンサンブル公演「솔 SOLL(ソル、松の木)」阪神地区公演が1日、兵庫県伊丹市の東リいたみホール(伊丹市文化会館)大ホールで行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年ぶりの開催となった巡回公演の幕開けを飾った。会場には、総聯兵庫県本部の金徹委員長、金鐘洙実行委員長(尼崎西商工会会長)、金剛山歌劇団の金正守団長、金剛山歌劇団全国後援会の許敬子副会長、日朝友好兵庫県民の会・渋谷訓幹事、阪神地区の市議会議員など、県内はもちろん日本各地から同胞や日本市民たち約650人が訪れた。

会場では検温や消毒、整理券の配布、座席制限など、感染防止対策が万全に施された。

今年の公演タイトルには、雪に覆われても春には青々と蘇る松の木のように力強く生きていこうという団員たちの思いが込められている。団員らは朝鮮の国樹である「松」を通して、異国の地で、度重なる試練の中でも屈することなく明日を信じ、世代を超え未来を切り拓いてきた在日同胞らの生きざまを舞台いっぱいに表現した。

今回新たに創作された混声重唱と舞踊「明けゆく空に」で始まった公演では、男声独唱「南山の青い松」、カヤグム独奏「オンヘヤ」、ソヘグム4重奏「ひばり」、舞踊「松~風雪を乗り越え」など17作品が披露された。

公演中、舞台と客席は互いに呼応しあい、一つになった。最後の演目、チャンゴ重奏と舞踊「歓喜」でその空気は最高潮に。「まだまだ厳しい状況は続きますが、冬を乗り越え、春の日差しを浴びてキラキラと輝く松の木のように、苦しみを乗り越えたその先にはきっと美しい明日が広がると信じて、皆さま、この難局をともに乗り越えていきましょう」(金明姫団員)――歌劇団の力強いメッセージを受け取った観客らは、あふれんばかりの拍手喝采を送った。

感動の声、続々と

2021年金剛山歌劇団アンサンブル公演「솔 SOLL」

「幕が挙がってから始終、圧巻で脱帽の舞台だった。どの演目も素晴らしく拍手をしすぎて手が痺れるほど夢中になった。興奮がさめやらない」と感想を述べたのは朝青姫路西支部の沈揆生さん(22)。「ソルという公演のテーマが素晴らしく心を打たれた。朝大の軽音楽団で一緒に活動した同級生や後輩、先輩たちが舞台で輝く姿を見られて感銘を受けた」と話した。

女性同盟伊丹支部顧問の安琴仙さん(72)、金笠恵さん(77)は感極まる様子でこう語った。

「1992年、日本各地から選抜された同胞音楽家、舞踊手とともに伊丹支部の代表として祖国を訪問した。その時一緒に祖国を訪問した歌劇団の団員たちが今も舞台で活躍している姿に感銘を受けた。また、いつもはオーケストラボックスで演奏している管弦楽団が舞台上で演奏していて、臨場感があふれ、力強い音色が伝わる圧倒のステージだった。ウリ民族楽器が一番だ。コロナ禍で苦しい状況が続く中、公演を通じて力をもらった」。

会場には、昨年度に入団したソヘグム奏者の安希純団員の母・金正仙さん(49)の姿もあった。金さんはこの日東京から駆け付けた。「コロナ禍で紆余曲折ある中、娘が入団してから初めての本公演。今日という日を無事に迎え感無量だ。金剛山歌劇団の一員として舞台で表情豊かにソヘグムを奏でる娘の姿が誇らしかった」としながら、「私の地元が兵庫で、希純も幼い頃過ごしていた。今日は当時の友だちや知り合いが大勢観に来てくれて成長した娘の姿に感嘆し声援を送ってくれた。娘が成長した姿で凱旋公演を行えたと思うととても嬉しい」と笑顔を見せた。

また、20年以上前から歌劇団の公演を観覧しているという日朝友好兵庫県民の会の渋谷訓さん(71)は「金剛山歌劇団の皆さんの表現の一つひとつに、朝鮮民族のDNAを感じた。舞台の上の皆さんからこぼれる笑顔は、日本の人たちのそれとまったく違うようだ。皆さんが心の奥に秘めている自身のルーツに対する誇り、民族意識なのではないだろうか。芸術は政治の壁を越えていける。芸術や文化を含め、民間レベルでの交流を続けていかねばと改めて思う。楽しかったし元気をたくさんもらった」と感想を述べた。

(文・李鳳仁、全基一 写真・盧琴順)

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