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〈駒大・本名使用拒否問題〉朝鮮人の印、勝ち取るために/当事者が語る思い

2021年06月24日 10:22 民族教育

兪在浩さん

駒澤大学が在日朝鮮人学生の本名使用の申し出を拒否したあげく、使用の条件に「お詫び」を求めた事件。当事者である兪在浩さん(24)は、在学中におきた「出来事」を公開した理由についてこう語った。

「朝鮮人であることの印を、葛藤して勝ち取った人間がいることを知ってほしかった」

「真の本名宣言」

物心がついた頃には「通称名」で生活していたという兪さん。「兪在浩」という本名があることを知ったのは小学校高学年になった頃だった。

「その時から何となく自分は日本人じゃないとわかるようになって。父方はウリハッキョに通ったので民族名が飛び交うような環境だったが、正月や夏に親族で集まった時、自分の家系だけ日本名(通称名)を使うことに違和感を抱いていた」

大学時代の留学同活動(本人提供)

そんな兪さんが「民族に出会う」きっかけは、中学時代に訪れた。日本の中学、高校に通う同胞生徒たちを対象にしたサマースクールと学生会活動に初めて参加。出自についてはその頃まで身近な友人だけが知っている程度で「自分からは言うこともなかった」。

サマースクールに参加した当初は、本名宣言をする友人を横目に「いつか自分もしたいなと思う反面、勇気がなく周囲の視線に対する不安と先入観があった」という兪さん。

しかしその後、心の中には「同じ境遇の子と出会う」サマースクールなどに参加することで、「本名を使いたい」「隠して生きるのは嫌だな」という感情が芽生えていった。

「いつかのサマースクールで、本名で生きる同胞生徒が差別的な扱いをされたという経験談を聞いて。自分は通称名で生きているからそういう経験をしない立場にいるなと考えさせられた。けど何よりも自分を隠して生きるのが苦しかったし、なんで名前を隠さなきゃいけないんだという反骨精神があった」(兪さん)

大学への進学を機に環境ががらりと変わるなか、兪さんは「通称名」ではない本名で生きていこうと決心した。ただそれは「本当の意味での本名宣言ではなかった」。

拠り所に

2016年4月に駒澤大学へ入学した兪さん。勉強をしたり友人たちと過ごす際には、本名で過ごすようになったものの、「何かあったときにすぐに前の自分に戻れるように」と当初は学生証の名前を「通称名」で登録した。

しかしその後、心境の変化が起きた。

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