「経済一辺倒」ではない社会主義強国建設


“集団主義が深く根付いた理想社会を”

朝鮮は今後15年ほどで、すべての人民が幸せを享受する繁栄した社会主義強国を実現するという構想を明らかにしている。その実現のために、今年の1月に開かれた朝鮮労働党第8回大会を起点にして経済分野で「旧態依然で陳腐なすべてのものと決別」するための革新を断行している。一方、社会主義強国建設の担い手である人民を覚醒、奮起させるための思想事業に力を注ぎ、個人主義に対する集団主義の優越性をさらに発揮させることに重点を置いて国家社会制度の強化を図っている。現在, 行われている党中央委員会第8期第3回総会でも反社会主義・非社会主義との闘争を積極的かつ着実に展開していく問題が討議されている。

朝鮮は今後15年ほどで、すべての人民が幸せを享受する繁栄した社会主義強国を実現するという構想を明らかにしている。

大胆な経済革新、非正常の正常化

党第8回大会で国家経済発展5カ年計画が示されたことで始まった革新の焦点は、社会主義計画経済の発展潜在力を余すところなく発揮させることにある。

朝鮮で党大会が定期的に招集されなかった間に「苦難の行軍」と呼ばれた試練の時期があった。 1990年代、ソ連と東欧における社会主義市場の崩壊、敵対勢力の執拗な孤立圧殺策動、相次ぐ自然災害によって国家経済が打撃を受け、朝鮮でも社会主義本来のシステムと秩序を維持することが困難な状況が生まれた。混乱期に臨時的で過渡的なシステムと秩序が形成されたが、党第8回大会は、国力が向上し、すべての分野で正常な発展を目指す時代の要求に合わせ、社会主義計画経済の発展を妨げる古いシステムと非効率的な事業方式、障害物を除去する方針を明らかにした。

今後、5カ年計画の期間に大胆な革新を断行することで経済活性化のための基盤をつくり、その後も党大会の開催時期に合わせ5年を周期に大きく飛躍し、15年ほどで社会主義強国を建設するという構想は、人間中心の思想、人民大衆中心の革命理論とされるチュチェ(主体)思想に基づいている。それは朝鮮が目指す強国のイメージ、シンボルに表れている。

金正恩総書記は、私たちが理想とする社会主義強国は、すべての人民が衣食住の心配を知らず、無病息災かつ安らかで仲睦まじく暮らす社会、互いに助け合いながら喜びも悲しみも分かち合う共産主義的美徳と美風が発揮される人民の社会であり、労働党のすべての活動は、このような社会を一日も早く実現することを目指していると述べている。

強国建設に関する朝鮮の戦略は、資本主義の国々の経済発展戦略とは根本的に異なる。経済成長による物質的な豊かさが、互いに助け合い喜びも悲しみも分かち社会の実現につながるとは限らない。個人主義的な生存方式が定着した社会では、富が増えるほど持つ者と持たざる者、極少数と絶対多数の対立がより深まる。

強国建設、担い手たちの「意識改革」

朝鮮の戦略の中心にあるのは「カネ」ではなく「人」である。経済発展のための革新も強国建設の担い手であり、理想社会実現の当事者である人民の思想を発動させ、その役割を高めることを前提にして進められている。党大会の後に開かれた社会団体の大会が重要な契機となっている。

金正恩総書記は、青年同盟第10回大会(4月27〜29日)に送った書簡の中で、すべての青年を社会主義に対する信念を抱いた愛国青年として育成することを同盟組織の最優先課題として示した。国家が試練に直面した苦難の時期に生まれ育った今の若者世代は、ウリ(われわれ)式社会主義の優位性に対する実体験とイメージが十分ではなく、一部の青年たちは誤った認識を持っていると指摘、社会主義思想・共産主義思想の核心である集団主義思想を朝鮮社会の現実と結びつけながら浸透させ、「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」というスローガンが青年自身の要求となるようにしなければならないと述べた。

職業同盟第8回大会(5月25〜26日)に送られた書簡でも労働者階級と同盟員をウリ式社会主義の明るい未来を確信して闘う共産主義的信念の持ち主として準備させることを第一の課題として示した。今はすべてが不足する中で困難な闘いをしているが、誰も羨むことがない豊かで誇らしい社会主義生活は、決して遠い未来のことではないとしながら、すべての同盟員にウリ式社会主義建設の指針を明らかにした党の文献、政策の真髄を正確に浸透させて、彼らが党はどのような事業を構想し、自分たちは何をすべきかをしっかりと認識して働くようにしなければならないと強調した。

青年同盟第10回大会では、すべての青年を社会主義に対する信念を抱いた愛国青年として育成することが最優先課題として示された。(朝鮮中央通信)

多方面にわたる多角的な革新

朝鮮のウリ式社会主義は類例のない社会的共同体を既に実現している。今、世界では「コロナ後」の国家制度と国際秩序に関する議論が交わされているが、人民重視の政治と一心団結の国風を発揮し、「感染者0」 の防疫形勢を維持する朝鮮では、景気回復を望む先進国とは違ったレベルで理想社会の姿を思い描き、その実現に向かって邁進している。

労働党の外郭団体である青年同盟と職業同盟に示された課題が示すように、5カ年計画と共に始まった経済革新も、その担い手たちが社会主義思想を体現し、実践するプロセス、誰もが助け合い喜びも悲しみも分かち合う事業スタイル、生活様式をより深く定着させていくプロセスとして想定されている。「一人はみんなのために、みんなは一人のために!」は、朝鮮戦争の後、集団的革新運動であったチョンリマ(千里馬)作業班運動の狼煙を上げた降仙製鋼所(現在の千里馬製鋼連合企業所)の労働者たちが掲げたスローガンだとされているが、それを生活の信条とした数千万の人民がいたからこそ、朝鮮は苦難の時期にも一心団結の姿で敵対勢力と対峙し、社会主義を守り切ることができた。 2020年代、労働党はそのスローガンを再び高く掲げ、理想とする強国の建設に人民を総動員している。

今、朝鮮で反社会主義・非社会主義的現象を根絶するための掃討戦が行われているのも、理想社会の実現に向けた刷新の一環だ。ウリ式社会主義制度の本質的特性に合わせ国家の人民的性格を強化し、社会に順法規律の確立を徹底化させる一方、敵対勢力との対決が続く条件下で、司法検察・社会安全・保衛機関が社会主義制度の守護者としての責務を果たしていくようしている。

朝鮮の社会主義強国建設は、このように経済の分野だけではなく、政治思想と集団主義に基づく社会生活の様式、法と秩序に至るまで、多方面にわたって多角的に推し進められている。

(金志永)


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