短編小説「道づれ」5/キム・ビョンフン
2021年06月09日 08:00 文化・歴史彼女は何度も「おじさん、おじさん」と言いながら、後ろから私の肩を動かして角度を調節してくれた。私は「おじさん」よばわりを気にする暇もなく、ただ彼女のするままになっていた。するとほんとうに、まつ毛よりも小さいたくさんの透明な斑点のようなものが、水の中でうごめいているのが眼についた。
彼女は何度も「おじさん、おじさん」と言いながら、後ろから私の肩を動かして角度を調節してくれた。私は「おじさん」よばわりを気にする暇もなく、ただ彼女のするままになっていた。するとほんとうに、まつ毛よりも小さいたくさんの透明な斑点のようなものが、水の中でうごめいているのが眼についた。