〈ものがたりの中の女性たち 44〉「気持ちをひとつにすれば貧しさなど」/平岡公主


あらすじ

幼い頃から泣き虫だった平岡公主は、父である高句麗第二十五代王平原(ピョンウォン)王から、「そんなに泣いてばかりいると立派な若者には嫁げぬ。馬鹿(바보)の温達(オンダル)の嫁になるしかないな」とよくからかわれる。公主が十六歳になると王は彼女を名門高氏に嫁がせようとするが、幼い頃から聞かされていた「馬鹿の温達」に嫁ぐと言って聞かない。

困る王を尻目に、「下々の者も嘘をつかぬことを美徳としております。ましてや王族たる我々が嘘をついては示しがつきません」と言い張る。業を煮やした王は公主を城外に追放する。すると公主は金の腕輪や貴重な宝石を手に出て行く。温達と結婚した彼女は、城から持ってきた宝石を売り、傾いていた温達の家門を再興し、武芸と兵法を教え、立派な武将に成長できるよう助ける。

一方公主は、痩せ馬を安い値でわざわざ購入し立派に育て上げる。温達はこの馬に乗り王主催の狩りで活躍、獣を一番たくさん獲り優勝する。王は娘が嫁いだ「馬鹿の温達」の目覚ましい成長に喜ぶ。その後温達は、国境守備の肄山(イサン)の戦いで武功をたて武将になり、ついに王の娘婿として認められるようになる。

平原王の後を継いで嬰陽(ヨンヤン)王が即位すると、温達は新羅に奪われた土地を奪還するまでは帰らぬと誓うが、阿旦(アダン)城の戦いで戦死する。王と高句麗の人々は温達の死を悼み葬儀を行おうとするが、棺を載せた輿が地面に張り付いたままびくともしない。平岡公主が温達の棺を撫でながら、「生死はすでに分かたれました。どうぞ旅立ちなさいませ」と涙ながらに言うと、棺はゆっくりと動きはじめる。


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