公式アカウント

〈青商会、挑戦と継承の足跡〉Ep.6 試練の中で試された真価(3)/改めて知った「祖国の愛情」

2021年03月31日 10:45 主要ニュース

中央常任幹事や各地の役員らによって、ピョンコマ公演の中止によって生まれた莫大な財政的損失は2ヵ月のうちに収拾することができた。

平壌学生少年芸術団(ピョンコマ)公演の中止によって生まれた莫大な財政的損失は、非常な覚悟を持って事後処理にあたった中央常任幹事や各地の役員らによって、2ヵ月のうちに収拾することができた。しかし、中央青商会にはまだやり残したことがあった。それは、日本で行う予定だったピョンコマ公演の映像を収録し、各地の朝鮮学校に通う子どもたちや同胞らに届けることだった。中央常任幹事たちは山積する問題の解決に追われる中でも、「ピョンコマ公演を通じて同胞たちに夢と希望を与える」という当初の目的を忘れることはなかった。

2002年12月、青商会の重要なミッションを携え、公演事業の実務を担当していた中央青商会の玄大植総務部長(現・商工連合会副理事長)、茨城県青商会の李哲洙幹事長が祖国を訪問した。2人が乗り込んだ「万景峰92」号には、ピョンコマのために日本で準備していたプレゼント、ドラムやトロンボーンなどの楽器が積み込まれた。

2人が万景台学生少年宮殿を訪ねると、リョム・ユンハク総長をはじめとした学生少年宮殿の関係者たちが、わざわざ宮殿の外まで出迎えてくれた。リョム総長の目には涙が。玄大植総務部長の脳裏に、ピョンコマ公演中止の知らせを聞いた2ヵ月前の記憶がフラッシュバックしたー。

晴天の霹靂のような一報が入った時、ピョンコマ一行は北京空港にいた。総長や子どもたちは、やむを得ず朝鮮大使館へとんぼ返り。一方、引率役を務めていた玄大植総務部長は頭の整理がつかないまま、チェックインを済ませていた全団員分の航空券をキャンセルし、公演事業の実務担当として日本への連絡に追われた。そうして一段落がついてから、朝鮮大使館に向かった。大使館で顔を合わせたリョム総長は、目を赤らめながら心情を吐露した。

「日本で難しい状況にある同胞たちや活動家たち、子どもたちのことを思うと、残念で仕方がならない」

あれから2ヵ月、学生少年宮殿の関係者たちはいまだに無念の感情を拭い去れずにいた。公演中止が各地青商会に及ぼした影響が心に引っかかっていた玄大植総務部長だったが、彼らの表情を見るなり自然と涙があふれた。

宮殿内で設けられた面談で青商会側は、この間に日本で起きた出来事について説明し、祖国訪問の目的である公演の映像撮影について提起した。するとリョム総長は、青商会側の要求を二つ返事で快諾。そのうえで「実はこちら側でも準備しているものがあったんです・・・」と切り出した。

Facebook にシェア
LINEで送る

あわせて読みたい