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〈青商会、挑戦と継承の足跡〉Ep.6 試練の中で試された真価(2)/しんどい時こそ笑顔と笑いで

2021年03月21日 14:00 主要ニュース

2002年の大阪フォーラムで掲げたコンセプトは「ミレ・スマイル」「ミレ・サポート」。ピョンコマ公演の中止が決まるまでは、フォーラムの準備がある程度順調に進んでいたが・・・。


平壌学生少年芸術団(ピョンコマ)公演中止の知らせを受けて各地の青商会から不満と怒りの声が噴出する中、ピョンコマの千秋楽公演に合わせて民族フォーラムを開催するはずだった大阪府青商会も揺れに揺れていた。

「こんな状況で民族フォーラムなんかやってどないすんねん!もうやめようや!」

同胞飲食店で招集された緊急常任幹事会拡大会議ではフォーラムの中止だけでなく、「青商会の解散」や「青商会からの脱会」を口にするメンバーも。フォーラム開催を支持する常任幹事らもいたが、そのことを声を大にして言えるような状況ではなかった。会議に参加した中央青商会の許宗・直前会長(62、現・商工連合会副会長)と李長五幹事長(現・千葉県商工会会長)は事の成り行きをじっと見守っていた。

険悪なムードが流れる中、金致萬副会長(60、現・大阪府商工会副会長)はまわりを見渡した。文煕哲幹事長(現・総聯大阪府本部副委員長)は頭を抱え、頼みの綱である実行委員長の高元亨会長(当時・中央青商会副会長、現・総聯東大阪南支部副委員長、大阪府商工会副会長、61)はただ一人だけ、知らない顔をして料理を頬張っている。このままだったら埒があかん。そう考えた金致萬副会長は常任幹事らに提案した。

「賛否両論あるかもしらんけど、俺らは青商会という『会』に属しているんやから、会長がこうしようと言ったらそれに従おうや。仮に会長の意見に反対であっても、会として決まったのであれば何も言わず、最後まで一緒にやってみよ」

そうは言ったものの金致萬副会長は「内心ドキドキしていた」。高元亨会長は普段からのほほんとした性格で口数は少なめ。「役員らに対してもガミガミ説教したりせず、どちらと言えば一人ひとりの意見に耳を傾けながら優しく背中を押すタイプ」。フォーラム開催に対する懐疑的な声が出ている状況で、会長は何と言うのだろうか。金致萬副会長はいくばくかの不安を抱きながら、聞いた。「ソンベ(先輩)、どうすんの?」。すると高元亨会長は箸を止め、いたって普通のトーンで一言。

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