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〈ものがたりの中の女性たち 42〉深淵より深い人間の心/愛と憎しみの果てに

2021年02月21日 07:00 主要ニュース 文化・歴史

あらすじ

明の英宗年間、程翰という名官がいた。号は文清。南門の外、太雲山に居を構え、左には臥龍灘、右には玩月臺がある。

文清公程翰の夫人は開国功臣徐達の孫娘で婚姻後二男一女をもうける。長男潛の号は清溪、人柄が良く忠臣であったが、夫人楊氏との間に明艶、月艶という二人の娘しかおらず、体の弱い夫人からは男子出産は望めないため弟參の長男仁星を養子に迎える。次男參の号は雲溪、公明正大な君子であるが出世に興味はなく、左丞相花詹の娘と婚姻し三男一女をもうける。長男潛は、仁星を養子に迎えることを父程翰の誕生日に公表する。

誕生日の宴が終わり夜になると、清溪兄弟が父と共に玩月臺に上り観月に興じる中、趙、楊、花、李、張など諸侯が彼らの子らと文清公程翰の孫たちとの縁談を相談し始める。玩月臺の宴の盟約である。ちょうどその時、長男潛の夫人楊氏の父が死去する。楊夫人は葬儀を終え帰郷した後病を得て、懸命な看病の甲斐もなく夭折する。

長男淸溪公潛は楊夫人の死後、蘇熙光の三女を娶るが、亡くなった楊夫人を忘れられず蘇氏に冷たい。ある日、母の命を拒絶できず蘇氏の部屋で眠るが、蘇氏が養子仁星を刃物で刺す夢を見る。再婚した蘇氏が双子を産むが、兄仁重は粗暴で弟仁雄は優しく賢い。蘇氏は双子を産んだ後、仁星を殺し、自分が生んだ息子たちを夫淸溪公潛の跡継ぎに据えようとありとあらゆる悪だくみを始める。姦夫、使用人、息子を巻き込みながら悪の限りを尽くす蘇氏の「外賢內凶」を誰も気が付かない中、四代にわたる運命の歯車が回り始める。


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