〈友好への種を撒こう 9〉女優/一般社団法人Get in touch代表・東ちづるさん


対話と人権教育が要 “自分らしく生きられる社会に”

料理番組「金子信雄の楽しい夕食」(朝日放送・1987年)で全国ネットにデビュー後、情報報道番組「THE WEEK」(フジテレビ)の総合司会として知られる。以降、ドラマや映画、バラエティーなどあらゆるジャンルで活躍し、類稀なる魅力で芸能人としてのキャリアを重ねる一方、2012年10月には音楽やアート、映像、舞台などの表現活動を通じ「誰も排除しない『まぜこぜの社会』」を現実にすべく、一般社団法人Get in touchを設立。それまでも長年、社会・ボランティア活動に精を出しながら、日本社会におけるさまざまな矛盾に声をあげてきた東さんは、「対話と人権教育によって誰も排除しない社会は必ず築ける」と訴える。

東ちづるさん

―Get in touchの活動は、2011年の東日本大震災を機に始めたと聞きました。

活動自体は32歳のころからで2012年に法人化しました。

当初団体をつくることは考えていなかったですが、2011年に東日本大震災があり被災地の避難所でマイノリティーの人々が追いやられてしまうという現実を目の当たりにしました。

自閉症の人がパニックを起こしたときに怒られたり、聞こえない・見えない人たちに配給物資が届かなかったり…。共生社会などと言われて久しいのに、そういうことが起こるのは、普段から「まぜこぜ」を実感できていないのだなと。それを可視化、体験化できる団体をつくろうと思い、支援団体ではない、社会を一緒に変える団体として立ち上げました。

団体名のGet in touchは、これまでいろいろと活動しながら、なんでもかんでも縦割りということが煩わしくて。支援団体、福祉施設、企業、政治家まで、すべてをつなげるという意味で決めました。

―だれも排除しない「まぜこぜの社会」。例えばどういう時に排除する・される社会だと感じますか。

障害のある作家たちはアカデミーな大学を卒業していないから、その分チャンスが乏しい。

視えない人が選挙に行くと、どの候補者に投票するのかを係りの人に伝えなければならないので守秘義務なし。国籍で排除する。ヘイトスピーチもあるし、電車が止まってアナウンスが流れても、聞こえない人はなぜ止まっているかはわからない。

特性に配慮できていない社会が故の不便・不自由さが満載ありますよ。

―在日朝鮮人という存在について。

私は出身が広島で、18歳まで過ごしその後大阪で10年ほど過ごしました。

芸能の仕事を始めてびっくりしたのが、ある時、東京のクルーの人たちと京都へロケにいったとき、現地で「差別はやめよう」というポスターをみて、そのクルーが「(京都は)変なとこだね。日本に差別なんてないのに」と笑ったんです。衝撃でした。

在日という言葉は本来、在日フランス人や在日アメリカ人まで皆含まれるけど、西日本の人たちにとって当時、在日といえば必ず朝鮮だった。それが違うことに気づいたのも大人になってからでした。

在日=朝鮮だと思っていたから。それくらい身近な存在でした。

―2020年3月に朝鮮幼稚園や一部の教育施設に対し、さいたま市がマスクを配布しないことが問題になりました。子どもが排除される現状があります。

すべてにおいてその原因は教育のなかに「人権」がないからだと思っています。

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