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〈ものがたりの中の女性たち 41〉三百歳の絶世の美女/浪奸

2021年01月31日 08:00 主要ニュース 文化・歴史

あらすじ

昔、平壌に李進守という貧しい漁師が、妻と娘浪奸(ランガン)と共に暮らしていた。

ある日、彼が汽水域で漁をしていると突然海が割れ、美しい女人が彼を水底の竜宮に連れて行く。竜宮では山海の珍味と金銀財宝、美しい女人たちに囲まれて過ごし、不老不死の妙薬だという人魚の肉を土産に持たされ陸に帰る。彼は人魚の肉を隠した後、変わりなく漁をしながらつつましく暮らす。ところが隠してあった人魚の肉を偶然浪奸が見つけて食べてしまう。

歳月は流れ李進守夫妻は老いるが、浪奸はますます美しくなり、ついには平壌一の美人と呼ばれるようになる。その美貌は広く知られ、多くの男たちに慕われるようになるが、彼女に縁談が持ち上がる頃からは、「浪奸は人魚の肉を食べ、男を死に至らしめる不吉な妖婦」だと噂されるようになり、ついには縁談もなくなり忌み嫌われるようになる。両親が相次いで老衰で亡くなると、彼女はやけになりどうせ誰とも婚姻できないのならと、平壌で三千人余りの男たちと関係を持つが、皆一様に徐々に衰弱し死んでしまう。

百二十歳になった年、自らの過ちに気づき、仏教に帰依、比丘尼になって牡丹臺の前に小さな庵を建て三十年間祈り続けた後、自分のせいで死んでしまった男たちの成仏のために全国の霊山を参拝し放浪する。二百歳になる年、牡丹臺の庵に戻るが美しい比丘尼がいると噂が立ち、彼女をひと目見ようと全国から男たちが集まる。これ以上の犠牲は出せないと考えた浪奸は、三百歳の時に深い山に入りそれ以降の消息は誰も知らない。


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