〈広島無償化裁判〉1審に続く不当判決に怒り/司法が民族差別を容認【1報】


入廷行動を行う学校関係者たち

国が朝鮮学校を高校無償化の対象から除外するのは違法だとして、広島朝鮮初中高級学校を運営する広島朝鮮学園と同校卒業生ら109人が原告となり、国に対し処分の取り消しと損害賠償を求めた裁判(以下、広島無償化裁判)の判決が16日、広島高裁であった。

高裁は、朝鮮学校が無償化の適用基準となる規程13条(適正な学校運営)に適合するものとは認めるに至らないとし、原告側の請求をいずれも退けた。1審に続く不当判決となった。

この日、高裁前には東京、大阪、愛知、福岡、京都、山口、徳島、静岡など日本各地から同胞や日本人市民、南朝鮮の支援者らが駆け付け、183人が列をなした。傍聴席は新型コロナウイルス感染防止のため従来の半分以下となる16席に制限された。

開廷後、裁判長が原告側の請求を退ける主文および判決要旨を読み上げ、すぐに閉廷。傍聴席では涙をこらえ切れない保護者や学校関係者の姿が、また裁判所の外で待っていた生徒や学校関係者らは「不当判決」の旗だしに強い憤りと落胆の表情を見せた。関係者らは歯を食いしばりながら「不当判決を許さないぞ!」「朝鮮学校に通う生徒たちの学ぶ権利を認めろ!」とシュプレヒコールを叫んだ。

判決後、原告側弁護団による記者会見が行われた。

足立修一弁護士団長は、一審同様に、国の違法行為にメスを入れず、あるべき姿からかけ離れた司法の判断に「憤りしか感じない。司法はこの問題の本質を見ることを回避した」と非難した。

今回の控訴審で原告側が強く主張してきたのは、朝鮮学校に対する無償化の根拠となった「規定ハ削除の違法性」について。しかし高裁は、規程13条の適合性に関する文科大臣の判断に「裁量の濫用、逸脱はない」とし、さらに規定ハ削除の法的問題については判断を避けた。

会見で発言した原告の男性(27)は「虚しさしかない。何よりも、後輩たちに申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と声を震わせた。

また同校の李昌興校長は、憤りをあらわにしながら「最高裁で判決をひっくり返して、朝鮮人として堂々と学べる権利を子どもたちに与えたい」と語気を強めた。

会見後、市内で報告集会が開かれた。

一方、控訴審判決と関連し、同日付で朝鮮学校無償化訴訟広島弁護団、広島朝鮮初中高級学校保護者連絡会・原告保護者、学校法人広島朝鮮学園、広島無償化裁判を支援する会からそれぞれ抗議声明が発表された。

(金紗栄)


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