〈70~80年代に咲いたコッソンイ・6(終)〉「アボジが聞かせてくれた話」/呉錦順さん(1982年、東京第4初中・中2)


私は夏休みに、朝鮮が国を奪われ日本の植民地となった悔しく悲しい話をアボジから聞きました。いつもにっこりと笑い、怒鳴ったこともない優しいアボジが、日本の教科書問題が新聞やテレビで報道されると、こぶしをぐっと握り、「私たちのように事実を目の当たりにした生き証人が多くいるのに、よくも平気で真っ赤なウソを言えるものだ」と言っていました。私が憤るアボジを見たのはその時が初めてでした。

私のアボジは日本が銃剣を振るい朝鮮人民たちを無残に殺し、朝鮮半島を一つの監獄に作りあげたとき、済州島に暮らしていました。水晶のように輝く海に囲まれた済州島。漢拏山を見上げ、鮮やかな空のもとで田んぼを耕し、和やかに暮らしてきた済州島。古くから風、石、女性が豊かな三多島と呼ばれ、少年たちも飛び跳ねる魚を追いかけ夢を育み、かげろうが揺らめく野原で蝶を追う、私の故郷・済州島。

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