〈書評〉「滞空女 屋根の上のモダンガール」(三一書房)/李英哲


「あそこに人がいる」/乙密台に籠城した女性闘士の生涯

パク・ソリョン作、萩原恵美訳、2020年9月、三一書房刊。本体2200円+税。電話:03-6268-9714

「滞空女(たいくうじょ)」―タイトルとその奇抜さを際立たせる装丁が目を引く。「屋根の上のモダンガール」という副題にそそられて最初のページを開いた瞬間からたちまち物語の主人公・姜周龍(カンジュリョン)に心をわしづかみにされた。2018年ハンギョレ文学賞を受賞したパク・ソリョンの快作である。この9月に三一書房より日本語訳で刊行された。

姜周龍は、1931年、平壌のゴム工場でストライキを率いた末に牡丹峰の楼閣、乙密台(ウルミルテ)の屋根に登り、朝鮮の労働運動史上はじめて「高空籠城」と呼ばれる、高所占拠闘争を繰り広げた女性労働者である。その30年余りの短くも波瀾と辛苦と人間愛に満ちた人生を、作者自身の豊かな想像力によって見事に現代によみがえらせ、私たちへと届けてくれた。

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