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〈取材ノート〉一番の肝

コロナ禍に伴う国の支援策として5月19日、文科省が発表した学生支援緊急給付金は最大20万円を「困窮学生」に対し支給するものとしたが、現状は「困窮学生」が救済されない名だけの支援制度である。

取材ノート7月に締め切られたそれは、大学の認可形態と日本人学生か留学生かにより別々に設けられた要件、そのほとんどが貸与で利息まで発生する既存の奨学金利用の有無など、救済はおろか日本で学ぶ学生たちに社会のヒエラルキーと植民地主義を内面化させ、加えて外国人差別を助長させる役割を大きく果たした点で、学生たちの学ぶ権利を侵害しただけでない害悪そのものといえる。

同給付金の創設以降、朝大生や日本の外国人留学生、人権団体などからは次々と声明が発表され、追加支援を求める多くの署名が提出されたが、抗議の声は依然「届いていない」。

しかし、この間心が奮い立たたされることもあった。それは現在、日本の大学教職員が呼びかけ人となり、「朝鮮学校の学生に『学生支援緊急給付金』の公平な給付を求める大学教職員声明」の発表に向けた賛同人募集をしていることだ。

賛同人数がどれほど集まったのか、進捗状況を調べるため関連サイトをほぼ毎日確認していたのだが、50音順にずらりと並んだ668人の名前と応援メッセージをみたとき、建前や形式ではない連帯の心を、初めて肌で感じた経験だった。そして朝大生らの要請の場に同席した一橋大の田中宏名誉教授のことばを今一度思い起こした。

「過去の歴史から何を学ぶのか、どういう日本社会をつくっていくのか。それがこの問題の一番の肝だ」。

(賢)