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〈それぞれの四季〉音楽の時間/崔蓮華

特別支援学校の職場まで通勤するとき、車中で宇多田ヒカルさんの「ぼくはくま」という曲を聴いている。なかでも「しゃべれないけど歌えるよ 歩けないけど踊れるよ」という歌詞がお気に入りだ。

大学を卒業して、特別支援学校の教員として働き出し、今年で2年目になった。私は重度重複障害の子どもたちと毎日を過ごしている。かれ、かのじょらは食事や排泄、着替えなど、独力で生活することは難しく、家族や教員、デイサービスの職員さんなど、様々な人の支援を受け入れて生活している。

そんな子どもたちと学校生活を過ごすなかで、かれ、かのじょらが1番キラッと輝いてみえる瞬間は、音楽の時間だ。音楽を聴いたり、それに合わせて身体を動かすとき、普段の生活では見られない表情を感じとることができる。

冒頭で紹介した歌詞は、音楽に触れる子どもたちの姿にぴったりの言葉だ。子どもたちと1年半ほど生活を重ね、喋れないけど歌う姿や、歩けないけど踊る姿をたくさん見つけることがでた。そんなかれ、かのじょらの姿を他の人にも見て欲しかったり、自分だけが知っている姿を愛おしく思ったり…。

教員として、喋ることができず、歩けない子どもたちが、安心して歌って踊れる学校生活を守っていきたいなと感じながら、日々一生懸命、仕事に励んでいる。

(岐阜県在住/特別支援学校教員)