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〈幼保無償化〉“目指す方向と矛盾している”/京都要請団、参加者の声

2020年08月06日 12:24 主要ニュース

4日に行われた京都要請団の要請活動

朝鮮幼稚園への幼保無償化を求め、4日に行われた京都地域の朝鮮幼稚園関係者たちによる要請活動。当日、要請の場であった発言について、以下紹介する。(韓賢珠)

立憲民主党・近藤昭一衆議院議員

幼保無償化は、社会全体で子どもたちの未来を支えていく法案として始まったが、各種学校の外国人幼稚園には適用されなかった。朝鮮学校の授業などを見たことがあるが、そこで学ぶ子どもたちは、日本に生まれ育ち日本社会で生きている。

担当者の皆さんには、子どもたちを守っていくという観点に立ち、こどもの権利条約や日本国憲法にもかかれているとおりしっかりと対応してほしい。

「幼保無償化適用を求める京都朝鮮幼稚園保護者連絡会」(メッセージ代読)

コロナ禍の試練と同時に今年度も幼保無償化制度から除外され続けている朝鮮幼稚園の子どもを持つ親として本当に辛く、なぜ無償化に適用されないのか理屈が通らず腹立たしさと悔しさでいっぱいだ。

1日も早く平等に子どもたちの権利を保障してください。

朝鮮幼稚園の子どもたちを仲間外れにしないでください。

京都初級・文峯秀校長

6年の社会の授業中、児童から「なぜウリユチバンは無償化から外されているのか」と、質問を受け、大変答えに苦しんだ。そして児童たちには「もう少し待てば適用される」と話し本当に心苦しかった。

出自によって人の人生や、学ぶ権利が差別されることはあってはいけない。

日本政府は外国人労働者の受け入れやオリンピックなどを通じ積極的に多様性の尊重をうたってきたが、そのうえで不可欠なのはいま日本に住む外国人との共存と真の多文化共生だ。朝鮮人が朝鮮人らしく育とうとする、そのための施設に対し支援をできないというのは、共生をうたう国がこれから目指す方向と矛盾しているのではないか。

東京第6初級附属幼稚班保護者・宋恵淑さん

各地に41ある朝鮮幼稚園は、それぞれ規模や園児数は異なり、それぞれ独自に行う取り組みなどもあるが、ネットワークを築きながら運営している。保護者たちに共通するのは日本に住みながら堂々とたくましく生きていくには、朝鮮幼稚園が一番だということ。

昨年以降、保護者たちはすべての子どもたちの平等な学びの保障を求めて声をあげてきたが、正直言えばそのしわ寄せは子どもたちにいく。それでもこの闘いをやめないのは、これ以上子どもたちに仲間外れという現実を背負わせたくないから。

届くまでしっかりと声を届け続けていく。

京都朝鮮学園・趙明浩理事長

私はいま教育現場で、日本で生まれ育った4世、5世になる在日朝鮮人の子どもたちを育てている。そしてその子どもたちを日本社会、国際社会で立派に活躍できる人材に育てようという思いで教壇にたっている。

いまこの場所で応対する職員の方々誰一人として、差別するために仕事をしている人はいないはずだ。制度的矛盾をそのまま放置すれば、新たな差別を生み、子どもたちが未来において堂々と生きることができない深刻な問題をもたらすだろう。一日も早く是正してほしい。

総聯京都府本部・高明愛権利福祉部副部長

今日参加したメンバー以外にも、保護者や関係者、支援者、そして子どもたち自身がどういう思いをしているのか、一度立ち止まり考えてほしい。これまで高校無償化、幼保無償化から除外され、このコロナ禍においても各種支援の対象から外されている。このような状況におかしいと声を上げている人がたくさんいる。

今日の要請や署名をしっかりと検討し、具体的に政策として改善してほしい。

〈幼保無償化〉京都から要請団/関係府省へ要望書と署名提出【1報】

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