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【詳報】「舌足らず」まかり通るヘイト法廷/京都朝鮮学園名誉棄損事件控訴審

2020年07月14日 17:20 主要ニュース

連帯し世論喚起を

入廷する学園関係者、弁護団

ヘイトスピーチにより京都朝鮮学園の名誉を傷つけたとして、元在特会幹部の西村斉被告が名誉毀損罪で起訴されていた事件の控訴審第1回公判が13日、大阪高裁202号法廷で行われ、即日結審した。

傍聴券をもとめ、京都だけでなく他県からも数十人の関係者、同胞、日本市民が訪れた。なお、傍聴席は新型コロナウイルス感染対策として3分の1の数に制限された。

被告は京都第1初級襲撃事件(2009年)で有罪判決を受けたが、17年4月23日、同校の跡地近隣の公園で拡声器を用いて朝鮮学園の名誉を傷つける発言を繰り返し、その様子をインターネット上に配信。これを受け京都地方検察庁は、被告を名誉棄損罪で在宅起訴(2018年4月20日付)した。それから1年以上を経て、第一審公判を行うに至った。

京都地裁は一審判決(19年11月29日)で、被告に対して罰金50万円の有罪を認めるも、被告の行為に「公益を図る」目的があったと認めた。当時、京都朝鮮学園告訴代理人弁護団が出した声明は、「判決理由において、被告人の言動が民族差別であることへの明言を回避し、公益目的を認定したこと(及び量刑)は極めて不当であり、ヘイト被害を受けた学校関係者への動揺を与えている」とした。

一審判決に対して京都地検は控訴せず、今回の控訴審は被告人側が控訴したことにより行われた。

控訴審第一回公判では、被告側弁護人が控訴趣意書および控訴趣意書の補充書を提出し、控訴趣意書の要旨を陳述した。

弁護人は、名誉棄損事件当時に被告が発した「ここ何年か前にあった京都の朝鮮学校ってありますよね。この朝鮮学校は日本人を拉致しております」などの発言について、「被告人はもっぱら公益を図る目的をもってその発言をし、ネット上に発信した」と解釈論を用いて弁解しながら、当該発言について「被告人の不用意な言い間違い、ないし舌足らずの発言ということにならざるを得ない」と述べた。

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