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〈新型コロナと医療〉相互扶助の精神で/コロナ禍の中の同胞医療従事者たち

最前線での勤務

新型コロナウイルスの影響で、各地の同胞医療従事者たちは今も休む暇なく、現場で働き続けている。緊急事態宣言が発令されていた間、日本政府は「国民」に対し自宅待機を呼びかけていたにも関わらず休業補償は不十分そのものだった。また医療機関ではマスクや防護服、患者用のベッドなどが不足した。

大阪府生野区にある共和病院の放射線技師・成洋秀さん(31)は「最前線に身を置く以上、緊張感を持ち続けながら働いている」と話す。新型コロナの影響で一般患者の診療数は減ったものの、発熱で救急搬送されてくる患者数が増えたため「いつウイルスに感染してもおかしくない環境」に置かれているという。

放射線技師の成洋秀さん

同院ではマスクや防護服が今でも不足している状況。一人でも多くの命を守るため、入院患者の外出や面会も一切禁止している。看護師を務める崔馨文さん(24)によれば「散歩や買い物などもできず、ストレスが溜まっている患者さんも多く、お年寄りの患者さんに至っては、なぜ外へ出てはいけないのか理解できていない人もいる」とのこと。また「感染病の前では身動きが取れず、患者さんの要望を聞いてあげられないことに無力さを感じた」という崔さん。だが一方で、自身にできることは患者さん一人ひとりに明るく接し、たくさん話をすることだと思い「看護師としての役割」を果たすよう心掛けているそうだ。

看護師の崔馨文さん

非常時に感じるあたたかさ

先月25日に日本全国で緊急事態宣言が解除された。しかし成さんや崔さんは、自身がウイルスを持っている恐れが十分にあるため、今でも必要最低限の外出しかしていない。油断を許さぬ状況にある同胞医療従事者たちにとって力をもらう時。それは日常にある地域同胞のあたたかさだった。

「たまに行くコンビニでばったり同胞に会うと『頑張ってね』などの言葉をいただく。その一言のねぎらいに大きな力をもらう」という成さん。

一方病院で、受付にぶら下げる感染防止のビニールシートが不足した際にごみ袋で代用していると、それを見かねたある同胞が病院へビニールシートを寄付してくれたという。陰に陽に支えてくれる同胞がありがたいと言う成さんは「見て見ぬふりをせず、いつでも相互扶助の精神で助け合っていくのが大切」と付け加えた。

在日同胞の子どもたちへの感染症対策として、大阪朝高や生野初級に検温器を7台寄付した同病院。まだまだ医療物資が十分とは言えない状況だが、いつでも同胞の健康を守るために尽力している。

崔さんはいう。「今回のような状況下で、改めて自分が何のために働いているのかを実感できた。もし病院が閉鎖してしまったら、ずっと通院してくれている同胞の患者はどうなるんだろうと不安になる。まだまだ大変なことは多いが、同胞の健康を守っていくためにしっかり感染予防をしながら働いていきたい」。

(金紗栄)

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