いつか統一した祖国で/金剛山歌劇団、6.15共同宣言20周年記念動画を配信


金剛山歌劇団が6.15共同宣言20周年を記念し、舞踊デュエット「ハナ(ひとつ)」の特別動画を制作した。(映像、写真:ホ・サンホ)

金剛山歌劇団が6.15共同宣言20周年を記念し、北南離散家族をテーマにした舞踊デュエット「ハナ(ひとつ)」の特別動画(https://youtu.be/UUtqf-ani9E)を配信している。新型コロナウィルス感染拡大の影響で公演を開催できない期間、金剛山歌劇団は「同胞たちに力と希望を与えたい」との思いで、リモート演奏や合唱、舞踊手たちのアーティストメッセージを動画で配信してきた。

今回の動画を制作するにあたり、関係者たちは5月から協議を重ねて構想を練ってきた。撮影日は、金剛山歌劇団の練習場に黒幕や照明などの機材を設置。音源には器楽部の団員たちによる演奏が用いられた。

公演で何度も披露してきた作品だが、舞台が練習場となると勝手が違う。同作品に出演する劉正一団員(40)と文聖華団員(28)は、限られたスペースでの踊りに難しさを感じながらも、撮影や演出の担当者たちの助言を受けながら、どうにか撮影を終了。その後、舞踊手はじめ制作関係者たちがオンライン協議を繰り返し、制作から1週間で動画が完成した。

6月15日に動画が公開されるや大きな反響を呼び、配信日から2日足らずで再生回数が千回を超えた。金剛山歌劇団のFacebookでは、視聴者から「初公演の時を思い出し、再び感動を覚え感激しながら見させていただきました。一日も早い地方公演が実現するよう願っています」とのコメントが寄せられている。

どんな時も思いは変わらず

舞踊デュエット「ハナ(ひとつ)」の動画に出演する劉正一さんと文聖華さん(映像、写真:ホ・サンホ)

同作品に出演する劉正一さんと文聖華さんの記憶には、6.15共同宣言が発表された当時の光景が色濃く残っている。

20年前、平壌で行われる「4月の春」芸術祝典を控え、金剛山歌劇団の団員たちは祖国で練習に励んでいた。その中に、入団3年目の劉正一さんがいた。

「練習中、重要なラジオ放送があるといって団員たちが集められた。そこで北南首脳会談の知らせを聞いた。胸の底から込み上げてきた感激は、今でも鮮明に覚えている」

同年12月、6.15共同宣言を履行するための事業として、ソウルで初めてとなる金剛山歌劇団の公演が実現した。

「舞台に立つ団員たちは涙をこらえることができず、観客たちも同様に泣いていた。街中に足を運ぶと、ふとした風景や空気が、平壌のそれと重なった。社会制度は違っても、北と南は一つの国なんだと実感することができた」

劉正一さんは、かつての思い出を感慨深げに振り返る。

「芸術を通して、統一を願う思いを多くの人々に届けたい」。劉正一さん(右)、文聖華さん(左)ともに、同じ思いを抱いている(映像、写真:ホ・サンホ)

当時、文聖華さんは城北初級の初級部2年生。歴史上初めてとなる北南首脳会談の日、普段は笑顔の教員たちが、大粒の涙を流していた。「統一が民族にとってどのような意味を持つのか、幼いながらに考えた」。

それから歳月が経ち、2010年に金剛山歌劇団に入団。2015年にデュエット「ハナ」に初めて出演した。「この作品との出会いは運命だった」。

作品の世界に深く入るため、朝鮮半島の歴史を一から学び直し、分断の時代を生きてきた人々に心を寄せた。北南朝鮮の情勢は目まぐるしく変わり、「胸が張り裂けそうな時もあった」。それでも「ハナ」を踊りながら、統一朝鮮への「想像力」を働かせ、今自分が何をできるのかを問い続けてきた。

「芸術を通して、統一を願う思いを多くの人々に届けたい」。

劉正一さんも、文聖華さんも、気持ちは同じだ。

「現在の北南関係はよくないが、在日同胞の願いはこれからも変わらない。『ハナ』の動画を見た同胞たちが、新しい希望を持ってくれれば」と話す、劉正一さん。

一方、文聖華団員は動画制作に用いた機材や音源など、その一つひとつについて触れながら「今回の動画には団員みんなの思いが詰まっている。そのことをたくさんの人に知ってもらいたい」と思いを明かす。

「統一した祖国で公演ができる日を夢見ながら、活動に励みたい」。昨今も変わらぬ思いを胸に抱いている。

(李永徳)