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セウォル号惨事から6年/真相究明妨害する積弊勢力を告発

遺族、5万余人の市民が参与

南朝鮮の大型旅客船「セウォル号」が全羅南道珍島沖で沈没した惨事(2014年4月16日)から6年が経とうとする中、その真相究明と責任者処罰を求める声が高まっている。南のメディアによると、遺族らは、捜査活動を妨害した疑惑が提示されている当時の法務部長官、黄教安・未来統合党代表や、遺族を冒とくした保守議員らを告発。迫る4.15総選挙を、積弊勢力を清算する機会にしたいとしている。

聖域なき全面再捜査を

セウォル号惨事の遺族らでつくる家族協議会や市民団体は、3月23日、ソウル光化門で記者会見を開き、惨事から6周年を迎える中、4月を「追慕の月」とし、「4.16セウォル号惨事6周年記憶文化祭」(11日)、「珍島海域参拝行事」(13日)を行う計画を明らかにした。

セウォル号惨事の全面再調査を求める遺族たち(3月23日、写真:聯合ニュース)

家族協議会のチャン・フン運営委員長は、現政権の任期が残り少なく捜査活動にも進展がないことを指摘し、「6周年を迎え、もう一度行動を起こす」と強調。▼聖域なき全面再捜査による真相究明と責任者処罰の可視化▼セウォル号惨事における積弊清算▼被害者の権利侵害・冒とく防止対策の制定▼4.16生命安全公園の建設などの追慕・記憶・安全社会建設活動の本格化▼安全社会建設運動の市民参与の基盤拡大――を今後の市民運動の方向とすると発表した。

惨事から6年が経とうとする中、依然として遺族らが再調査を求める背景には、真相調査を妨害する積弊勢力の存在、遅々として進まない捜査状況がある。

惨事の真相究明活動をめぐっては、惨事翌年の15年、「4.16セウォル号惨事真相究明および安全社会などを建設するための特別法」(15年1月施行)に基づき「セウォル号惨事特別調査委員会」が発足した。しかし、朴槿恵政権は、海洋水産部や国民安全処(以前の海洋警察)など惨事の調査対象機関の公務員を委員会の中心メンバーとし、特別調査委の調査対象を縮小する施行令の立法を予告するなど、捜査活動を妨害しようと画策した。また、朴槿恵政権が、政府と懇意にあるメディアを活用し、特別調査委に対する批判的な報道を行うことで、特別調査委の活動を無力化しようとしたことなども、後に証拠文書から明らかになっている。

朴槿恵弾劾後には、第2期の特別調査委の発足を公約した文在寅政権下で、「社会的惨事の真相究明および安全社会建設などのための特別法」(17年12月施行)に基づき設置された「社会的惨事特別調査委員会」が捜査活動を引き継いできた。昨年末には、セウォル号惨事に関し「事故当日に海洋警察が脈のある溺水者を発見しながらも病院に搬送するまでに4時間41分かかり、ヘリコプターを利用できる状況だったにもかかわらず実際には利用しなかった」などの捜査結果を発表した。

引き上げられたセウォル号の船体(写真:聯合ニュース)

一方で、昨年11月には大検察庁(最高検)の傘下に「特別捜査団」が発足し、捜査を進めているが、現在まで検察の必要に応じ海洋警察指揮部の一部のみを起訴するにとどまっている。民主社会のための弁護士会セウォル号惨事対応タスクフォース(TF)などは、検察の「特別捜査団」に対し、セウォル号の沈没原因やセウォル号惨事以降の政府対応や真相隠ぺい疑惑などの真相究明に関する12の要求事項をまとめた意見書を提出。聖域なき全面捜査を求めている。

一方で家族協議会は、昨年11月、事故当時の大統領だった朴槿恵や法務部長官だった黄教安を含む40人を「事故責任者」と規定し、検察に告訴・告発した。被害者家族377人とともに、5万余人の国民が告発人として参与した。

黄代表は、法務部長官をつとめた当時、法務部の幹部たちを通じ、検察に対し「海洋警察123庁長に業務上過失致死の嫌疑を適用するな」などと強要した疑惑が提示されている。

公薦取り消し求める

南朝鮮の第21代総選挙(4月15日)が目前に迫る中、遺族らは、「聖域なき真相究明と責任者処罰、国民のすべての生命が尊重される安全な社会のためには、国民の代表機関である国会が過去の罪を清算しなければならない」とし、総選挙に出馬するべきでない候補者の名簿を発表した。

ここには、黄教安やセウォル号惨事の遺族に対する妄言を繰り返し、名誉棄損の罪で起訴されているチャ・ミョンジン前セヌリ党議員など、セウォル号惨事と真相隠蔽の責任に問われている18人が含まれる。遺族らは、各党にこれらの候補者に対する公薦を取りやめるよう要求した。

家族協議会のチャン・フン運営委員長は「遺族とキャンドルを掲げた市民たちは、6年間、真相究明と責任者処罰を通して、安全な社会を作ろうと努力したが、それを妨害したのが黄教安やチャ・ミョンジンなど18人の政治家だ」と指摘。「国民の代表となることができない不適格者である」と非難した。

また、「2020総選市民ネットワーク」のキム・ギョンミン事務総長は「4.15総選挙を通じて、安全な国、国らしい国を作ろうとする市民の思いを正しい一票で示さなければならない」とし、「この過程で、セウォル号惨事を歪曲し、遺族を冒とくした政治家が国会に足を踏み入れることのないよう市民社会に呼びかけたいと語った。

(朝鮮新報)