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〈World Opinion〉コロナウイルスの副産物/ロシア・トゥデイ

2020年04月09日 14:58 対外・国際

日常が消えて露わになった米国の素顔

ニュースサイト「ロシア・トゥデイ」は3月29日、「日常の生活が奪われ、露わになった米国の実態」と題する米国人コラムニストの記事を掲載した。以下は要旨。

普通の米国人なら、もはやスポーツや暴飲暴食で気を紛らわせている訳にはいかない。誰でも見る目があれば、米国が人々の政治への不平不満をそらす段階でしっかり守られているが急速にすたれつつある腐敗した帝国であることに気が付くだろう。

コロナウイルス19のおかげで焦点がはっきりしてきた。なぜなら、今やスーパーの棚は空でパンが不足し、サーカスやスポーツといった娯楽のように気晴らしになるものが文化から無期限に取り除かれたからだ。

ことわざにもあるように、危機は本性をさらけ出す。もしも米国が正常、健全かつ合理的な国であるならば、コロナウイルス危機は変化が起きる大きなチャンスとなりうるが、悲しいことに、そうはならない。米国は非正常、不健全かつ非合理的であるがゆえに、本物の変化は考えられない。

例えば、米国経済は金融化されているため、大衆には繁栄の幻想以外には実質的なものは何も創造していない。40年の間生産力は急増したものの、生活費は増えるばかりで賃金は横ばいである。

米国経済は、ロビンフッドとは真逆の奇妙な世界に退化した。つまり、富める者が貧しい者から盗んで貯め込むのである。今の新型コロナウイルス危機も間違いなく利用される。2008年の経済破綻の場合のように、ワシントン、ウォール街、大企業の重役会議室の自惚れ屋たちが一緒になって、彼らの損失は社会化する一方、収益は個人のものとするのである。

大企業支配政府体制特有のがん的腐敗ほど致命的なものはない。米国の実にひどい経済的分断は、新型コロナウイルスの危機の最中に学校閉鎖を巡る論議でいっそう浮き彫りになっている。その実施が遅れた理由は、わが国の教育制度は学ぶためではなく、むしろ見せかけの保育および食物配達サービスのためのシステムであるところにある。労働者の保護者は自宅で子どもたちを育てるのは不可能だ。なぜなら、両親(普通なら複数の仕事をこなしている)が、40年前に一人の親が働いた時よりも不平等な条件を強いられているからだ。

ロスアンジェルス統一学区では、全生徒・学生の70%が貧困ラインに属し、その大半に食事が与えられる教育制度が導入されている。世界で最も豊かな国にしては、いかにも不面目なことである。

また、議会やホワイトハウス内の大企業の代弁人たちは、他の先進国ではどこでも実施している普遍的な国民皆保険制度の導入は夢物語だと堂々と主張している。そんなに贅沢な医療制度のためにお金を使うことなど決してできないというのである。

コロナウイルス感染はいずれ収束するだろうが、米国の状況が改善される見込みはない。

(朝鮮新報)

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