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〈投稿〉支援活動を通して得た思い/徐拓也

2020年04月29日 14:31 主要ニュース

より良い同胞社会をプレゼントできるよう

在日同胞社会で育ちました。幼き目にも同胞社会はみんなで助け合い、喜びや悲しみを共有する、そんな大切な存在に映りました。

朝大を卒業後、生まれ育った神奈川県中北地域で朝青活動を経て青商会に入り、2年目からは地域幹事と県の経済部として、3年目からは地域会長と県幹事として活動をしています。

新型コロナウイルスは生まれ育ったこの大切な同胞社会にも大きな影響を与えています。

青商会では仲間や家族たちを守るために歯をくいしばって仕事をこなしながら幹事会を重ね、こんなときだからこそ自分たちにできることは何かを考えました。

脳裏によぎったのはこの大切な同胞社会を築いてくれた先代たちのことでした。同胞高齢者たちがこの騒動のなか、やっとの思いで買い物に出かけても、お米やお水が売り切れだったらとても困るだろうと思いました。そんな姿が浮かんだのです。

そこで県幹事会では話し合いのすえ、各地域で同胞高齢者たちのためにお米やお水を届けようと決めました。

隠さずに言えば、夜間の勤務のため毎日仕事に行く前に同胞宅を回るのは大変でした。休みを取れない時期でもありましたし、会長としてやると決めたからにはやり抜かなければいけないという重圧もありました。

そんな時でした。

「君たちがいればもう同胞社会は大丈夫だな」

この言葉に胸が熱くなりました。

ほかにも本当にたくさんのありがとうという言葉を頂きました。なかには「お腹はすいていないか? ご飯を食べていきなさい」という言葉や、栄養ドリンクをプレゼントしてくれた方もいました。わざわざ手紙を書いて送ってくれた同胞もいました。

同胞たちのこのような反応に、なに弱音ばかり吐いているんだ、まだまだできるぞ、もっとやるぞという強い気持ちになりました。ここで諦めるわけにはいかないと、むしろ大きな力をもらったのは自分たちでした。

これからの同胞社会を守れるのは今の自分たちしかいないと思います。先代が残してくれたものを守り、次の世代のためにより良い社会、温かい社会を作りたいです。先代の血と涙で守られてきたこの同胞社会を守り、次の世代のためのより良い同胞社会をプレゼントできるようにこれからも活動を続けていきたいと思います。

(神奈川県中北地域青商会第10期会長、32歳)

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