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〈取材ノート〉分断の克服

取材ノートジャーナリストの堀潤監督の映画「わたしは分断を許さない」を観た。同作は、国内外の社会課題の現場で生じる分断を追った作品。福島や香港、沖縄など、分断の深まる地域を訪ねる。監督は18年、19年と日本のNGOが主催する平壌での日朝大学生交流にも同行。「近くて遠い国」とされる朝・日間の分断にもフォーカスをあてた。

滞在期間、大学生の議論は、「拉致」「核ミサイル」問題から、日本の戦争責任まで多岐にわたる。印象的だったのは、空き時間に交わされる屈託のない会話だ。

日本語を学ぶ平壌の学生は、「いつか『時をかける少女』の舞台となった場所に行きたい」と語る。また、ある学生は、トランプ米大統領についての印象を聞かれ、「政治的に難しい問題」と苦笑いを浮かべたと思うと、「(朝米)交渉の先、理想とする未来は?」という質問には、被せるように弾んだ声で答える。「戦争のない明るい未来を作りたい」。

朝・日関係が冷え込む中、人的交流が減り、政治的に、歴史的に、深い分断状況にある両国。監督自身も、自らの凝り固まった朝鮮像に気づかされたという。「平壌で暮らす人たちも私たちと同じ生活者だった」。

偏向した日本の「北朝鮮」報道が残した後遺症は深刻だ。朝鮮にも、日本のアニメに憧れ、平和を希求する人々がいる。小さな共感は、分断の克服に繋がると感じた。

(宥)