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性奴隷制問題描いた南朝鮮の漫画「草」邦訳・出版へ/作者が来日

2020年03月10日 10:56 主要ニュース 歴史

“ハルモニの苦難、人類普遍の問題として”

日本軍性奴隷制被害者である李玉善さんの半生を描いた南朝鮮の漫画「草 日本軍『慰安婦』のリビング・ヒストリー」が日本語に翻訳され、出版されたのを記念し、作者の金・ジェンドリ・錦淑さん(49)が2月21日、東京都内で講演した。

8カ国語で出版

漫画「草」は17年に南朝鮮で出版された後、フランス語、英語、イタリア語に翻訳出版されてきた。日本では訳者を中心に「『草』日本語出版委員会」が結成され、翻訳、印刷などの経費を捻出するためのクラウドファンディングが行われた。2月14日に「ころから」社から出版された。スペイン語、ポルトガル語、アラビア語の翻訳が進んでおり、計8カ国語で出版される予定だ。

同書はニューヨークタイムズ「ベスト・コミック・2019」、英国ガーディアン紙「ベスト・グラフィックノベル2019」に選出され、フランス日刊紙ユマニテが主催する漫画賞で審査員特別賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けている。

2月21日、東京・早稲田の「AVACO チャペル」で「作者キム・ジェンドリ・グムスクさんと出会う会」(主催・『草』日本語版出版委員会)が開催された。

著者の金さんは南朝鮮に生まれ、世宗大学絵画科、フランスのストラスブール国立装飾美術大学を卒業。代表作に、済州島の4.3事件を描いた「チスル」、南の原爆被害者を扱った「おじいさんと過ごしたハル」などがある。会では、李玉善さんとの出会いから、慰安所のあった中国での現地取材、本作の表現手法などについて語った。

李玉善さんの人生描く

漫画「草」は、1942年に蔚山で連れ去られ、中国・延吉の日本軍駐屯地に送られた後、市内の「慰安所」で性奴隷生活を余儀なくされた李玉善さんの人生を描いたもの。金さんは、李さんが生活する「ナヌムの家」を訪ね、過去から現在に至る話を聞いた。

金・ジェンドリ・錦淑さん(左)が都内で講演した(撮影・李相英)

「草」というタイトルには「どんな被害にあっても立ち上がり生き残った」被害女性たちの生きざまを込めた。「被害者は常日頃、

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