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子どものケアと感染予防、最優先に/新型コロナ拡大に伴い、各地の学校で対策

昼食時間、児童たちは持参したお弁当にくわえ、この日ローソンから提供のあったおにぎりを食べてお腹いっぱいに(東京第6初級)

コロナウイルス感染症が拡大するなか、休校措置をとった各地の朝鮮学校では在校生を対象に、学校開放や学童保育などを実施し子どもたちのケアにあたるなど対策を講じている。

保護者たちに感謝/大阪第4初級

自由遊びの時間にドミノ倒しで遊ぶ園児たち(大阪第4初級)

大阪第4初級では、今月1週目から同校付属幼稚班および初級部に通う児童らを対象に学童保育を実施。共働きや一人親世帯など、朝方から夕方にかけて家庭での子育てが困難な世帯を中心に行われている。

登園したらまずは手洗い、うがいをする児童たち

筆者が取材に出向いた6日、同校には8人の対象児童たちが集まった。2歳児から初6まで、多い日で10人前後になるという。土日を除いて毎週朝8時過ぎから夜6時ごろまで開放し、午前と午後にそれぞれ担当の教員を配置。通学バスは運行せず保護者らが送り迎えをする。

先生の指導をうけながら手の消毒も

同校では大阪市内で感染者が発生したことから、教職員たちがより一層の緊張感のなかで保育にあたっていた。

登園してくるとまず、児童たちは手洗い、うがいをしてアルコールで手を消毒。また15分に1回、水分補給の時間を設けている。この日担当していた鄭芳実教員によると、のどの免疫細胞が乾燥するとその機能が低下することから、こまめに水分補給し湿らせることで免疫機能を高めるためだ。またお茶に含まれるカテキン成分も抗菌・抗ウイルス作用があることから、学校で預かる児童らには、お茶を持参するように保護者らに呼びかけているという。同校では、対象児童が万が一発熱した場合に、事前に保護者から連絡をもらうようにし自宅で待機してもらっているという。

15分に1回、水分補給も欠かさず行っている

6日現在、同校幼稚班の学童保育では、室内や運動場での自由遊びの時間を中心に日程が組まれ、初級部では学年ごとに提示された課題をする学習の時間と遊びの時間を設け、一日を過ごしている。また屋外での活動の場合は時間を限定し、担当教員の配置を徹底することで、子どもの成長に欠かせない日光浴を可能な限りできるよう心がけているという。

初級部の児童らは課題を、園児たちは絵本を読むなどして時間を過ごしていた

今回対策を講じるにあたり、保護者たちの協力が力になっていると鄭教員はいう。

「例えば、共働き家庭では何かあれば実家の祖父母に預ける場合もあったが、今回は高齢者の感染時に重症化のリスクが高いため、それもできず悩んでいたり、職場で休日または時間差通勤などができても、この状態が長期化した場合に休める保障がないと心配する保護者が少なくない。また、子どもたちの成長の面でも、授業の進行が遅れたり、言葉などの習得が遅れるのではという不安を持つ保護者たちもいる。そんななか、本校では臨時期間がはじまる前の週末、ちょうどオモニ会の会議があり、その場で万が一に備え可能な限り自宅で子どもたちをみて、感染リスクを軽減しようと保護者たちが話し合ってくれた」(鄭教員)

ちょうどお迎えにきた母親と記念撮影

学童に子どもを預ける玄明順さん(45)は「夫は名古屋に単身赴任中で、私も仕事に出なくてはいけないので正直負担がすごく多い。そういう状況のなか、学校で見てもらえるから本当にありがたい」としたうえで「世間が何をするにも自粛モードなので、どこかへ遊びに出かけたりもできない。そういう状況では多くの子どもたちが、知らずのうちにストレスも感じているはず。そんななか、ユチバンに行きたいと楽しそうに話すわが子をみると、学校に預けることができてすごく安心する」と話した。

SNSなどで柔軟に対応/東京第6初級

この日の学童保育では、園児と初級部児童ら皆で砂遊びをしていた

東京第6初級でも、対象児童を最小限とし学童保育を行っている。

同校を取材した17日には、幼稚部6人、初級部4人の計10人の児童らが屋外で砂遊びをしていた。

屋外での自由時間に終始はしゃいでいた児童たち

呉英哲校長によると、同校では、夏休みや冬休みなど例年の長期休暇期間にも預かり保育をしており、今回対象となる児童も、ほとんどがその対象児童たちだという。しかし今回は、感染が段々と増す社会状況のなか、急きょ休校措置を講じたことから、保護者向けの説明や諸々の事前準備に追われたと、同校幼稚班に務めて8年目の張淑瑛教員は話す。

昼食後の歯みがき

同幼稚班では、卒園前の一大イベントとなる「卒園お祝い会」が中止となったため、卒園を控えた年長組と下級生が共にする場が、卒園式を除いてはなくなってしまった。そのため、これまで「卒園お祝い会」に向けて児童たちが準備してきた歌やお遊戯などは、LINEやSNSのグループ連絡を通じ幼稚班の保護者らに共有するなどしたという。

また担任教員たちは、保護者たちに週に1回、電話連絡をするなどして、随時子どもたちの変化をチェックするようにしている。その際、保護者たちからは「子どもが『遊びたい』『外に出たい』とストレスを感じていて、そろそろ家の中も限界がきそうだ」などといった声も聞こえてくると張教員は言う。

お昼寝の時間

張教員は「本来3月は、年間を通じて担当教員と児童のあいだで築いた信頼関係のもと、さらにプラスアルファとなる保育をしたりと、児童らの成長を感じることができて、保育者としてもやりがいの感じる期間だ。もっとやってあげたいことがあったから残念だ」と話しながら「学童に通う子、通わない子を問わず、本校に通う子どもたちのケアと感染予防を最優先にして保育に臨みたい」と話した。

(韓賢珠)

〈新型コロナウイルス対策〉“ありがたい存在と改めて実感”/各地の朝鮮学校で学童保育など実施