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〈友好への種を撒こう 3〉フランス文学者、思想家/内田樹さん

はびこる「反知性主義」

「厄介な隣人にサヨウナラ」「韓国人という病理」――昨年、雑誌「週刊ポスト」は、記事の中でそのような言葉を並べてヘイトスピーチを行った。同胞に対する異常な差別が社会にまん延する中、「週刊ポスト」版元の小学館に対し執筆拒否を宣言した思想家の内田樹さんが今、日本社会に対して思うことは。

– 在日朝鮮人を取り巻く日本社会の状況に感じることはありますか?

以前に比べ在日コリアンへの非寛容、差別が公然化してきたと感じられます。第一の原因に安倍政権があります。安倍政権になってからの7年間で、「嫌コリア」の機運が政治的に作られてきました。日本社会に在日コリアンへの差別的感情は戦前から一貫して存在しますが、それが公然化するかどうかは社会の「空気」で決まります。「差別的なことは口に出してはいけない」という抑制の空気が安倍政権下で消えてしまった。その結果、隠蔽されてきた差別感情が可視化されたということだと思います。

極論やデマを語る人はいつの時代もいますが、そういう人たちはマイナーな存在であって、メディアの前面に出て来ることはなかった。安倍政権下で、それまで「不遇」をかこっていた論客たちが政府委員になったり、NHKの経営委員になったり、総理と一緒に食事をしたりして、「権威のある人間」という印象を与えるようになった。本来ならば市民的常識によって抑制されるべき非常識な発言が、政権への恐怖感や強者への忖度によってまかり通るようになりました。

神戸市東灘区の「凱風館」で話をする内田樹さん

– 様々な問題の中、安倍政権が長期にわたり続いている理由は何でしょうか?

政権のコアな支持層とは別に、「権力者は不正を働いても構わない」という道徳的なニヒリズムが若い人たちの間に蔓延しているように感じられます。政権が公文書を隠蔽したり、データを改竄したり、総理大臣が嘘をついても「それのどこが悪いんだ」と言う人たちが予想外に多い。不正をしても処罰されないのが権力者の特権ではないか、それが現実なんだから、力のない人間ががたがた言うな、と。そういうニヒリズムがスマートだと思っている。

最近、僕の友人がネット上で麻生太郎の批判をしたら、「そういうことは自分が財務大臣になってから言え」という書き込みがありました。

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