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〈第41回コマチュック〉隠し味は「感謝の気持ち」/和歌山初中が売店運営

2019年11月13日 13:22 スポーツ

多くの来場者で会場の一角が賑わっていた。コマチュック名物とも言える、飲食物の売店だった。この売店は、大会開催地が大阪府になった2010年以降、大阪朝高学区の学校が持ち回りで運営している。今年の担当は和歌山初中。同校の保護者、教員らが運営にあたっていた。

盛況を博した和歌山初中の売店

同校の売店運営は2014年以来2回目。コマチュックが真夏に開催されていた当時は、夏バテ防止や食欲増進のため、冷たい麺類が主食として用意されたほか、地元の名産品を用いた、みかん寒天、梅酢ソーダなどが好評を博した。

大会開催時期が秋に移った2016年以降は売店のメニューががらりと変わり、温かい飲食物が目立つようになった。今大会で人気を呼んだのは、昨年につづいて振舞われた「スジスープ」。このメニュー、実は南大阪地域の同胞が手作りで準備したものだという。「昨年の来場者の中で評判が高かったため、今年も協力を依頼した」と和歌山初中関係者は明かす。

和歌山初中のオモニらが準備した料理も、もちろん美味しい。

味のしみたおでんや、最終日のみ用意されたカレー、朝鮮パンチャンのチヂミに蒸し豚とキムチのセット…。売店の責任者を務めた同校オモニ会の尹徳美会長(39)に美味しさの秘訣を聞くと、「子どもたちへの愛情」、そして「感謝の気持ち」が隠し味の答えだった。

「同胞たちへの感謝の気持ち」を持って売店を運営した和歌山初中の保護者たち

同校は昨年7月の西日本豪雨によって甚大な被害をこうむったが、各地の同胞、日本市民、海を越えて南朝鮮などから届いた物心両面での支援によって復旧作業を進めることができた。

「多くの愛情を受けてきたけど、それに応える機会が中々なくて。今回は同胞たちに恩返しをするために、一丸となって運営に励んだ」(尹会長)

大会期間、同校の保護者や教員らは、仕込み作業を行った和歌山初中、調理や搬送の拠点に用いた南大阪初級、コマチュック会場の3カ所に分かれ、大会の成功のために誠心誠意をもって尽くした。

心温まるエピソードを聞いていると、売店のオモニたちがほくほくのおでんを持ってきてくれた。それを頬張り、心身ともに満たされた状態で売店をあとにした。

(李永徳)

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