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中四国・九州初級部サッカー大会「朝銀カップ2019」/山口で開催

2019年10月07日 14:19 スポーツ

選手、関係者ら340人が参加

朝銀カップ2019が山口で行われた

「朝銀カップ2019 第46回在日朝鮮学生中四国九州地方初級部サッカー大会」(主催=同実行委)が9月28~29日に山口県下関市の下関陸上競技場と下関運動公園で行われた。

朝・日の選手らがはつらつと

地域の朝鮮学校サッカー部員と同胞らが一堂に会す貴重な場として、70年代から開催され続けている伝統ある同大会。12年からは「朝銀カップ」の名が冠され、岡山以南の民族金融機関である朝銀西信用組合がメインスポンサーとして運営をバックアップしている。また2年前からは開催地の日本のチームなども招待され、朝・日の児童らがサッカーを通じて交流を深めるきっかけにもなっている。

「朝銀カップ」として8回目を迎えた今大会には中四国・九州地方の朝鮮学校6校(広島初中高、山口初中、岡山初中、四国初中、北九州初級、福岡初級)と下関市内の日本学校の児童らが出場。また会場には実行委の呉栄哲委員長(山口初中校長)をはじめとした各学校関係者や保護者、朝銀西信用組合の役員ら多くの人々が訪れ、約340人の参加のもと大会が開催された。

初日には朝鮮学校と日本学校の選手たちが出場する「朝・日親善友好マッチ」が行われた。

初日の開会式の様子

開会式では朝銀西信用組合営業企画推進部の金鶴守部長があいさつし、全力でプレーを楽しんで日頃の練習の成果を発揮してほしいと選手を激励した。また各チームへ記念品が贈呈され、朝・日の選手代表が共に選手宣誓を行った。

開会式のあいさつに立つ朝銀西信用組合の金鶴守営業企画推進部長

大会は年齢別にU12リーグとU10リーグの2部門で行われた。U12リーグにはムジゲ(山口初中、北九州初級、福岡初級合同チーム)、岡山・四国合同、広島の朝鮮学校3チームと神田SSS、向井FC、下関北垢田の日本の3チームの全6チーム、U10リーグには5チームが参加した。

選手たちはJリーグの公式戦でも使用される天然芝の恵まれた環境の中、ピッチを元気に走り回りながらはつらつとしたプレーを披露した。

競技の結果、U12,U10リーグともに向井FCが1位となった。向井FCの高橋和幸監督(42)は「朝鮮学校との試合を通じて子どもたちにとっていい交流の機会になったと思う。素晴らしい環境を提供してくれた関係者に感謝したい」と話した。

初日には朝・日の選手らが優勝を争った(U12リーグ・ムジゲ対神田SSS)

二日目には第46回在日朝鮮学生中四国九州地方初級部サッカー大会が行われた。11月に行われる「第41回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会」(コマチュック大会)本選部門の予選を兼ねたU12リーグでは広島が優勝した。金侑聖主将(6年)は「チームが団結し、練習の成果を発揮して優勝できたのでうれしい。コマチュック大会でも優勝できるように頑張りたい」と抱負を語った。

2日目の大会では広島が優勝した

両日の競技終了後には閉会式が行われ、優勝チームに優勝カップが授与されたほか、大会で活躍した選手たちが優秀選手として表彰された。

子どもたちのため一丸

大会は毎年、中四国・九州の各地域の持ち回りで開催されている。その年の開催地の朝鮮学校が主管し、地域の同胞らをはじめとした関係者らと実行委を組み大会の運営を担っている。

両日にわたり実行委や保護者ら多くの同胞らが会場に訪れた(写真は二日目の参加者たち)

13年以来6年ぶりの山口開催となった今年は山口初中の教員、アボジ会、オモニ会や合同チーム・ムジゲの保護者をはじめとした学校関係者や地域の朝青員、青商会の会員を中心とした同胞らが大会成功のために尽力。学校関係者は大会の全般的な運営を、朝青、青商会は会場設営などで汗を流した。

選手らを激励する呉栄哲実行委員長(2日目)

一方、朝銀西信用組合下関支店の孫敏浩支店長をはじめ多くの朝銀西信組の職員らもスタッフとして参加し運営を支援。また、山口初中中級部サッカー部や広島初中高高級部サッカー部もボール拾いや試合の審判を務めるなど後輩たちを積極的にサポートした。

山口初中保護者、ムジゲ保護者として大会運営に携わった崔泰順さん(42)と韓輝淑さん(40)は「開催地の保護者としてプレッシャーもある中、卒業生のオモニや山口初中のオモニ会、他地域の人たちも積極的に手伝ってくれたおかげで無事に大会を開催できた」と胸をなでおろした。そのうえで同校では児童・生徒数の減少で困難も多いとしながらも「小さい学校ならではの良さを再認識させてくれた」(韓さん)、「これからもオモニたちが力をひとつに合わせ子どもたちを守っていく決意を強くした」(崔さん)と選手たちのひたむきなプレーを通じて多くを感じていた。

ムジゲの選手と保護者たち

大会期間中には各学校の保護者や卒業生など各地からも多くの同胞らが会場に訪れ選手たちに熱い声援を送った。岡山から駆け付けた李浩宰さん(46、岡山県青商会会長)は自身もかつて出場した大会で息子がプレーしていることが意義深いとし「朝銀カップは中四国・九州地方の朝鮮学校に通う子どもたちが互いに切磋琢磨しあういい機会。この地域から『コマチュック大会』優勝チームが出てくれたら嬉しい」と期待を口にした。

2日間にわたり選手たちははつらつしたプレーを披露した(広島対岡山・四国合同、2日目)

呉栄哲実行委員長は大会の開催に尽力した朝銀西の関係者や同胞らに謝意を表し「この大会は今も昔もこの地域の朝鮮学校児童たちにとって『コマチュック大会』と並ぶ重要な大会。これからも中四国・九州地方の同胞らが一丸となって子どもたちのために力を尽くしていきたい」と大会のさらなる発展を誓った。来年の大会は広島での開催が予定されている。

(丁用根)

大会成績

朝・日親善友好マッチ

―U12リーグ

①向井FC / ②ムジゲ / ③広島

―U10リーグ

①向井FC / ②ムジゲ / ③神田SSS

第46回在日朝鮮学生中四国九州地方初級部サッカー大会

―U12リーグ

①広島 / ②ムジゲ / ③岡山・四国合同

―U10リーグ

①ムジゲ / ②岡山・広島・四国合同

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