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“いつかまた、統一朝鮮で”/MEGAエキサイティングスクールの思い出

2019年08月02日 09:34 民族教育

料理作りで交流を深めた高級部生たち

「ウリ民族フォーラム2019in九州」実行委員会が主催した「MEGAエキサイティングスクール」(7月26~28日、九州中高)は参加者たちの記憶に残るひと夏の思い出となった。とりわけ高校生年代にとっては、さまざま国籍の同胞学生とともに未来の可能性を想像する、かけがえのない期間であった。

ともに描いた夢

初日に料理作りで交流を深めた高校生たちは2日目の午前に3コマの講義を受けた。

最初の2コマは中国朝鮮族と高麗人の歴史的背景や現状について。つづいて「朝鮮半島の夢、次世代のコリアンたちの夢」について。最後の講義を行った朝大外国語学部の李英哲准教授は、平和と繁栄、統一の新時代が到来している今日に、次世代が果たせる役割、未来の可能性を考えてみようと語った。

朝大外国語学部の李英哲准教授が「朝鮮半島の夢、次世代のコリアンたちの夢」と題して講義を行った

午後は、午前の講義に基づいてグループ討論が行われた。生まれ育った環境が違えば、アイデンティティーの持ちようもさまざま。実際、「統一」に関する意識のギャップも見受けられた。

慶尚南道の高等学校に通うペク・ハンビさん(高1)は北南間に「経済的格差」があるため「統一しなくても南北間の交流さえできればいい」と思っていた。一方、中国朝鮮族のペ・ヒョヨンさん(高1)は、「統一についてほとんど考えたことがなかった」。なぜなら、「あまりにも大きなことすぎて、自分が何をできるのかイメージがわかないから」。

各々が率直な考えを打ち明ける中、朝高生たちは初めこそ遠慮がちだったが徐々に討論をリードしていく。

高級部生たちが討論でそれぞれの考えを打ち明けていった

日本政府の弾圧に屈せず闘争を繰り広げてきた在日朝鮮人の歴史に触れ、いまなお続く民族教育差別に反対して無償化裁判を闘っている事実を説明。朝鮮民族の不幸な歴史を克服するために統一を実現しなければならないと過去、現在、未来をしっかり捉えた主張も展開した。

海外の同胞学生たちは、困難な状況に置かれながら、「海外同胞が第三者になるのではなく、統一運動の主体としての自覚を持つことが重要だ」(高級部2年の趙勇気さん)と語る朝高生に一様に驚きを覚えていた。

統一への関心が薄かった前述の2人は、最終日を迎える頃には「観点が変わった。統一すれば民族がよりよく暮せるはず」(ペク・ハンビさん)、「行動を起こし続ければ、どんな困難も乗り越えられるかも」(ペ・ヒョヨンさん)と考えるようになっていた。

みんなで考案したプロジェクトを発表する高級部生たち

こうして迎えた3日目に各組が考案した未来のプロジェクトが発表された。

朝鮮半島一周ツアー、朝鮮青年をつなぐSNS、朝鮮民族が集結する大公演、世界に暮らす朝鮮民族の歴史をまとめた本の制作、2020年の東京五輪に向けた民族統一プロジェクト…。次世代が描く夢は、独創的で希望にあふれたものばかりだった。

「永遠の友達」

九州朝高3年の金悠雅さんは、「次世代の役割」に関する筆者の質問に対して、こう答えた。

「異国の地でも民族の言葉を守り、プライドを強く持ちつづけないといけない。それが、先代が築いてきた伝統の継承につながると思う」

もしかしたら討論の場でも、同様の言葉を述べたかもしれない。金悠雅さんと同じ組に入った高麗人のユガイ・アレキサンドルさん(高1)が「民族の信念を持ち、胸を張って生きる在日同胞学生」に出会うことができたと喜んでいたからだ。

プレゼン発表の準備に励む高級部生たち

ウズベキスタンに生まれた彼は、4年前に移り住んだ南朝鮮で初めて民族の言葉を習った。現在は京畿道の高等学校に通っているが「いまだに民族的アイデンティティーを模索している」。そんな彼の目には朝高生の存在がどれほど眩しく映ったことだろう。

ユガイ・アレキサンドルさんは2泊3日の日々を「あまりにも短かった」と惜しみつつ、明るい表情で言った。

「みんなと別れるのは寂しいけど、離れていても心でつながっているし、統一すればいつかまた会えると信じている。永遠の友達を得られて本当に嬉しかった」

(李永徳)

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