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随筆「ともに 春のウリノレ音楽会」を終えて/許玉汝

2019年04月22日 12:21 文化・歴史

高らかに歌をうたう出演者たち

私は「ともに」という言葉が大好きだ。それは私の70年の人生そのものが「ともに」の人生だったからかも知れない。

去る3月30日、大阪市の東成区民センター小ホールで催された「더불어 ともに 春のウリノレ音楽会」には、雨にもかかわらず立ち見が出るほど多数の観客が訪れた。

決して華やかなコンサートではない。しかしベテラン声楽家が4人も出演する上、フルート、ピアノ伴奏に至るまで音楽一筋の人生を送ってきた人々のコンサートである。

若い頃、朝鮮歌舞団や音楽教員として働いていた彼らは、今は、溶接工として工場で汗を流し、夜明け前からキムチ屋でキムチを漬け、介護施設で働きながら数十年間絶え間なくレッスンを続け、舞台に立ってきた人たちである。私は彼らを尊敬し心の底から応援したいと常々思っていた。

35年前の1985年から10年間、毎年行ってきた文芸同文学部と混声合唱団「セボム」のコラボコンサート「歌と詩朗読の夕べ」にも今回の出演者全員が参加した。

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