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〈ものがたりの中の女性たち 20〉「天と地が尽きたとしても心は変わりません」/英英

2019年02月18日 14:29 主要ニュース 文化・歴史

あらすじ

成均館に進士金(キム)生という15歳の若者がいた。美しく凛々しい容貌に、優れた人格、書と詩作に秀で、冗談をこよなく愛する、人呼んで「風流郎」である。若くして科挙に合格、高官や名門家から縁談が引きも切らない。

ある日、美しい少女―16歳の英英(ヨンヨン)を見かけ一目惚れする。美しいばかりか詩作や経書にも優れ、檜山君が側室にしようとしたが夫人の嫉妬がそれを阻んでいるという噂だ。

その日から恋煩いで憔悴した金生を見かねた知人が、彼女と縁故のある老婦人を探し出し、金生はその斡旋で英英に会うが同衾を拒絶される。

その後、英英の手引きで檜山君宅に忍び込んだ金生は一晩を共にするが、涙ながらに別れ、会うこともかなわず3年の年月が流れる。

絶望のあまり食事も喉を通らない金生は、それでも勉学に励み科挙に首席合格する。科挙に合格した者が3日間試験官と先輩合格者、親戚を訪問する三日遊街の途中、偶然檜山君宅の前を通る。

立派な建物に誰の邸宅か尋ねた金生は驚いて落馬し気を失う。檜山君は3年前に亡くなり未亡人が邸宅を守っている。三日遊街の一行だと知った夫人は金生を介抱するため邸内に招き入れる。

再会した金生は英英の手紙を読み、恋しさにいてもたってもいられなくなるがどうしようもない。その日から金生は食事が喉を通らず、病で床に就くようになり、見かねた檜山君夫人の甥である友人が事情を夫人に話し、英英との仲を許されるに至る。

その日から金生は官職も出仕も捨て、英英と静かで穏やかな生を全うする。


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