朝鮮の食糧事情/白宗元


制裁下でも穀物増産、自給自足の達成へ

朝鮮の農業生産は、厳しい制裁を受けながらも着実に発展してきた。今年の新年の辞で金正恩委員長は、国の総力を経済建設に振り向ける方針を明らかにしたが、農業はさらに加速的に増産を続けることになろう。

FAO(国連食糧農業機構)は平壌に常駐事務所を置き、農村の現地調査も行う国際農業専門機関であるが、朝鮮は2009年以降、穀物生産(豆類、ジャガイモを含む)で年間500万トン水準を維持していると発表した。日本の週刊「東洋経済」誌(14年9月)も農村協同組合を実地に視察し朝鮮の農業が安定した成長をつづけていると伝えている。

朝鮮の当局者は13年度の穀物生産高が前年比32・6万トン増しの566万トンと報じた。つづいて14年に571・3万トン、16年に589万トン、17年には日照りの被害が一部あって545・4万トンと減産したが、その代り果実生産は「人々が驚くほどの大豊作」であった。昨18年は異常高温気象でトウモロコシに被害があったが全般的作柄は良好で果実生産はひきつづき豊作であった。

一国の穀物需要は住民の食糧、工業用原料、畜産用飼料、種子用備蓄などからなるが人工2500万人の朝鮮の場合、それは約600万トンと見られている。

もともと輸入に頼らない朝鮮の食糧自給率は90%台と南朝鮮や日本と比べて非常に高いが、穀物増産がつづいている趨勢からすれば朝鮮が自給自足の目安となる600万トン水準に到達するのはもはや時間の問題であるとFAOは推定している。

北朝鮮は山地帯が80%を占め、古来、農業に不適で食糧の不足する地方とされてきた。さらに米国の過酷な経済制裁がつづくなか、食糧の自給自足を図ることは、国の存立にとって必須不可欠の重要事となる。

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