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対朝鮮独自「制裁」措置の即時撤回を要求/日本の団体、人士が声明、談話を発表

2016年03月16日 09:47 共和国 権利

日本政府が朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)に対する日本の独自「制裁」措置を復活・強化させたことと関連し、日本の人士や団体が相次いで声明、談話を発表した。(発表日順)

日本朝鮮学術教育交流協会

「日本朝鮮学術教育交流協会」は、日本と朝鮮の友好・親善を促進し、日朝国交正常化や東北アジアの非核・平和・共生を目指す立場から、この措置決定に対し、怒りを込めて厳重に抗議するとともに、直ちに撤回するよう求める。

私たちは、唯一の被爆国として「すべての国の核」に反対してきた。その立場から、これまでもすべての核保有国に対し、直ちに核の削減・廃絶を行うよう強く求めてきた。当然、朝鮮の核実験に対しても同じ考えで臨んできた。

しかし、この間の国際社会では、各国の核保有・核実験だけでなく、ロケット打ち上げに対して、朝鮮だけは認めないという「ダブルスタンダード」に大きな問題があると考える。したがって、各国は、今回の一連の行動を行った朝鮮の主張にも十分耳を傾け、朝鮮との対話、平和的関係を構築するよう求める。

私たちは、改めて今回の日本政府の独自措置に抗議するとともに、朝鮮への制裁一辺倒の敵視政策を直ちに停止し、対話を中心とした政策へと転換するよう要求する。そのことが、「平壌宣言」や「ストックホルム合意」の理念に基づくものであり、核問題をはじめとする諸課題解決の早道であると考える。

また、私たちは、この日本政府の独自措置などによって、在日朝鮮人、朝鮮学校に通う子どもたちへの新たな差別と偏見などが起こらないよう強く求める。そして、日本政府もこの問題に責任を持って対応するべきである。

私たちは、これからも日朝友好・親善、そして一日も早い日朝国交正常化を求めて、多くの市民とともに運動を進めていくことを決意する。(2月25日)

群馬県西毛地区日・朝婦人友好親善イップニ/共同代表 広木美恵子、近藤ヒサ江

私たちは核兵器のない世の中を希望しており、唯一の被爆国の国民として朝鮮の核実験は遺憾であり残念な気持ちに変わりはない。しかし、朝鮮の水核実験と人工衛星打ち上げによる日本独自の制裁措置は、きわめて危険で非人道的である。

朝鮮の核武装は、長きにわたる米国の敵視政策が原因である。

また朝鮮にも宇宙開発の権利は当然ある。朝鮮の宇宙開発まで認めないという政府の対応は不当であると言わざるを得ない。

日朝ストックホルム合意により解除された制裁措置を復活させ、なお且つ新たな制裁措置まで発動したことは、米国同様、明らかな朝鮮敵視であり、対話の道を閉ざす愚行である。

特に在日朝鮮人の祖国往来を制限したことは、在日朝鮮人に対する国家によるいじめであり人権侵害だ。日本政府による朝鮮への制裁強化と在日朝鮮人に対する人権侵害は、日本政府が日朝関係改善を放棄したも同然と考える。

この様な制裁一辺倒では、朝鮮半島の非核化と日朝関係改善など実現できないし、制裁と対話は絶対に両立することが出来ない。

日本政府が直ちに制裁を解除し、朝鮮との真摯な対話に臨むよう強く求める。(3月1日)

群馬県朝鮮女性と連帯する会

日本政府が、今年2月に朝鮮が打ち上げた地球観測衛星「光明星4」号に対しての制裁措置は、東アジアの緊張関係を煽り、平和を願う人たちの思いを踏みにじる不当な措置であり、即時撤回を求める。

主権国家が宇宙を平和的に利用することはどこの国にも国際法で認められた権利だ。日本でも同月にX線衛星を搭載した「H2ロケット」を打ち上げた。ロケット打ち上げの技術に関してどこが違うのか。朝鮮だけを排除し、新たな制裁を課すというのは、国際的に不公平きわまりない措置といえる。

隣国朝鮮との対話・協調の姿勢で、小泉政権が取り交わした「日朝平壌宣言」及びストックホルム合意に立ち返り一刻も早い日朝国交正常化を進めることを願う。そのための条件として、速やかに独自制裁を解除し、朝鮮との真摯な対話を強く望む。(3月1日)

日朝友好四国連絡会/代表 山本勤

朝鮮が行った核実験、人工衛星打ち上げに対し、日本政府は対朝鮮制裁拡大強化を閣議決定し、国連の場においても、米国に追従して朝鮮敵視政策強化の策動に加担邁進している。

日朝友好四国連絡会は、これら行為措置に強く抗議すると共に、その敵視政策を中止して速やかに無条件での国交正常化交渉を求める。

これら日本政府の措置は、東北アジアの緊張を高めて、再び戦乱の危機を地域全体に拡大するものと危惧するからだ。未だに朝鮮半島は南・北に分断され、朝鮮戦争は終結していない。その南・北の平和安定を指向する朝鮮に対し、米国等は政治経済両面ばかりか軍事的に核配備で圧力を強め緊張感を高め続けている。そこにある朝鮮が国家主権と民族平和安定のために核技術開発に至った経緯を理解せず、一方的に朝鮮を非難すべきではない。

また、人工衛星打ち上げで日本の報道等は「事実上の長距離ミサイル発射」など称しているが、これは宇宙の平和利用を目的とした合法行為で、日本の人工衛星打ち上げと何ら変わらないものだ。

日本政府は、過去の敗戦の責任国として、東北アジアの平和安定に寄与する様々な課題を負っている。その平和安定に逆行する朝鮮敵視政策は止め、生存権を奪う制裁拡大強化は撤回すべきであり、そのためにこそ平壌宣言に基づく無条件での日朝国交正常化交渉を再開することを求める。

特に日朝友好四国連絡会は、歴史的な両国人民間の友好往来を妨害する措置については、両国人民に対する反人道的行為であり強く抗議し、即時撤回されることを求める。(3月1日)

日朝友好連帯群馬県民会議/共同代表 角田義一

朝鮮の地球観測衛星の打ち上げについて、日本政府は弾道ミサイルの発射と非難しているが、朝鮮の宇宙開発まで認めないというのであれば日本政府の対応は妥当なものとはいえない。

日本政府は、新たな日本独自の制裁措置について、日朝ストックホルム合意により解除していた制裁措置を復活させ、新たな制裁措置まで閣議決定した。このことは、日朝間の諸課題解決を放棄し、更なる対立を助長させるものである。

特に制裁措置によって在日本朝鮮人総聯合会関係者をはじめ、在日朝鮮人の祖国往来を制限した。これは在日本朝鮮人総聯合会に対する政治弾圧であり、全ての在日朝鮮人に対する人権侵害である。

日本政府による朝鮮への制裁強化では、日朝関係の改善も朝鮮半島の非核化も実現することはできない。

日本政府は直ちに制裁を解除し、日朝平壌宣言・日朝ストックホルム合意に基づいて、今こそ真摯に対話の道をすすむべきである。(3月1日)

日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪/共同代表 加来洋八郎、長崎由美子

日本政府による今回の措置は、朝鮮の核実験と人工衛星の打ち上げを口実にいわゆる「北朝鮮の脅威」を煽り日米韓軍事同盟の強化を企むものであると同時に、再入国禁止対象者の大幅な拡大、朝鮮への送金禁止など、在日朝鮮人の生活と権利を著しく踏みにじる極めて不当な内容を含んでいる。

今回の措置が在日朝鮮人を直接のターゲットとし、彼らが祖国に住む肉親に会う機会さえ奪おうとする非人道的行為として、これに断固抗議し直ちに撤回することを強く求める。

今回の措置は、「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本的利益に合致するとともに、地域の平和と安全に大きく寄与するものとなる」と謳った日朝平壌宣言(2002年9月17日)の基本精神に反するばかりでなく、双方が日朝平壌宣言に則って国交正常化を実現するために真摯に協議を行った2014年5月のストックホルム合意に背く暴挙であると言わざるを得ない。

とりわけストックホルム合意で日本政府が自ら明らかにした、朝鮮に対する独自制裁の一部解除を元の状態に戻すばかりか、その内容をさらに強化するということは政府間合意を一方的に破棄するものであり、これに対し朝鮮側が当然の対抗措置として特別調査委員会の解体を宣言したことに「極めて遺憾」と開き直るなど、まさしく本末転倒としか言いようがない。

日本が対朝鮮独自制裁措置を実施して10年になる。この間、日朝関係は良くなるどころか悪化の一途をたどり、在日朝鮮人に対する政治的抑圧と民族差別はより深刻になっているのが現状だ。制裁が何の問題解決にもならないことは、10年の歳月が明らかにしている。

特に、日本社会において制裁という「暴力」を行使していることに対する批判が、あまりにもなされていないことに、深刻な危機感を覚える。

制裁があたかも有効な外交的手段であるかのような錯覚と、朝鮮に対しては何をしてもいいといった風潮は、ここ数年でさらに強まっている。そしてその延長線上で、在日朝鮮人が「攻撃」の対象とされることも「仕方のないこと」とされ「それが嫌なら朝鮮と手を切れ」といった暴力的な論法は、朝鮮学校の高校無償化適用除外問題や補助金支給停止問題とまさしく同じ構図であるといえる。

歴史的な日朝平壌宣言と「関係改善のロードマップ」と称されるストックホルム合意の誠実な履行こそが、諸問題解決のための唯一の道であることを再確認しながら日本政府による対朝鮮独自制裁措置に改めて抗議するとともに、その即時撤回を強く要求する。(3月4日)

全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部/ 執行委員長 垣沼陽輔

日本は今回の独自制裁措置によって、朝鮮が自国の自衛のために実施した「核実験」と人工衛星打ち上げを「大陸弾道ミサイル」として事実をねじ曲げ「朝鮮の脅威」と煽り、米・韓・日による3カ国軍事同盟を強化し、朝鮮を経済的に封じ込めようとしている。

また、制裁の復活は在日朝鮮人の生活を規制・抑圧することになり、2014年5月に朝鮮と日本政府がストックホルムで行った合意事項を一方的に破棄する行為だ。今回の制裁措置で、在日朝鮮人の再入国禁止対象者の大幅な拡大、朝鮮への送金禁止、「万景峰92」号をはじめとする朝鮮籍船舶の入港禁止などにより在日朝鮮人の生活と権利を大きく制限する。

また、朝鮮総聯の公正な活動をより厳しく制限する再入国禁止のなかで「朝鮮当局職員及びその活動を補佐する者」の「対象を従来より拡大する」としている。

今回の日本政府独自の制裁措置は、朝鮮半島と東北アジアの平和と日朝善隣友好関係を求める人々の声を圧殺することになり、ストックホルム合意に期待していた在日朝鮮人を失望させた。

日朝両国の対立により緊張激化の悪循環を生じ、不信と憎悪を増幅させることとなり何の問題解決にならないということは、これまでの制裁措置による歴史が証明している。

日本政府が行った朝鮮に対する不当な制裁を直ちに撤回することを強く要求する。(3月4日)

全日本港湾労働組合関西地方/執行委員長 大野進

核の脅威に対して対抗措置を講ずるのは当然である。さもなければイラクのように潰されるのはあきらかだ。また政府はストックホルム合意をいとも簡単に破棄したことの重大さを認識するべきで、将来に亘って禍根が残る。政府は経済制裁で恫喝しようと苦しめようとなんら有効にならないことを知るべきだ。

安倍首相の拉致問題の解決が最重要であるという決意はもはや嘘であり、政治的に利用しているとしか理解できない。今必要なことは米朝の平和協定の締結にむけ、日本が米国に働きかけると同時に、国民に対して朝鮮脅威論での世論操作をやめるべきだ。そして今こそアジアの平和のために恒久平和を希求する日本こそが果たせる役割なのだ。

朝鮮の「襲いかかるオオカミの群れを前にして、猟銃を手放すような愚かなことは出来ない」という主張は人として国として当然の気持ちではないか。

政府は一刻も早く制裁をやめ平和的解決の道を決断するべきだ。(3月7日)

(朝鮮新報)

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