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〈World Opinion〉「進退を議論すべき時」

2015年06月15日 10:51 対外・国際

メディア・トウデイ

朴槿恵が招いた社会混乱

南朝鮮の全国言論労働組合連合が発行するメディア・トゥデイは8日、「大統領の進退を議論すべき時」と題するコラムを掲載した。要旨は次の通り。

中東呼吸器症候群(マーズ<MERS>)コロナウイルスの恐怖で国民の不安が高まっている中、朴槿恵大統領に対する不信と不満も急速に広がっている。支持率は30%台に急落し、ソウル市内の各地で「朴槿恵退陣」を求めるビラが撒かれた。ビラには「マーズよりも大統領が恐ろしい」「国民が自ら生き残りの道を探さなければならないこの国の現実」などの批判フレーズが書かれていた。新聞の社説にも「大統領退陣」の主張が現れた。任期半ばで、すでに政権末期のようなレームダック。それは朴槿恵自身が招いたものであり、彼女の無知と無能と無責任が根本的な原因である。

南では感染拡大が止まらず政府当局の対応に非難が集中した(連合ニュース)

南では感染拡大が止まらず政府当局の対応に非難が集中した(連合ニュース)

朴槿恵は大統領就任後、経済民主化、福祉などの公約をほとんど反故にした。外交と対北関係では「セールス外交」、「統一大当たり」などのスローガンだけが先行し、具体的成果は皆無である。国際社会で韓国の地位は墜落した。民主的な政府が10年にわたって進展させた南北関係は完全に凍結状態だ。

最も致命的な問題は、大統領としての責任意識の欠如である。自分自身の問題を他人事のように話す朴槿恵の驚くべき図々しさ。「セウォル」号沈没当日、最も重要な7時間に行方不明になった朴槿恵は、惨事の翌日、訪問した珍島の体育館で遺族たちの抗議に直面すると、同席した官僚たちに向かって「この場で約束して、それが守られない場合は、全員が職を辞するべきだ」と恫喝した。前代未聞の青瓦台(大統領府)文書流出事件では「不適切な行動が確認された場合は、地位に関係なく懲戒措置を取る」と脅しをかけた。大統領選挙に関連した「献金リスト」が政界を揺るがした時は「不正腐敗がある者は誰であっても容赦しない」と啖呵を切った。しかし、これらすべての問題に関連し、責任を果たすべき朴槿恵自身は、常に議論の外にわが身を置いていた。

朴槿恵が大統領の座を獲得したのは、2012年の大統領選挙において100万票の差で野党候補を抑え当選したからだ。しかし、その勝利でさえも国家機関が組織的に動員された官権不正選挙だったことが判明した。本来ならば青瓦台に朴槿恵の居場所はない。ところが彼女は大統領選挙で国家情報院、軍サイバー司令部などが行った組織的工作活動をすべて「個人の犯罪」だと決め付けた。

朴槿恵には、憲法を遵守し、国民の生命と財産を保護する大統領としての能力も意志もない。それが任期半ばで確認された。国民は見抜いている。朴槿恵がイメージする大統領とは、国民の上に君臨する君主である。

マーズの事態に対しても、国民が知るべき情報を公開せず、それを主張する勢力を攻撃した。自分を一段高みに置いて社会の対立を煽るそのような態度が国民を激怒させている。

現在の状況は、大統領の国政運営能力を根本から点検する絶好の機会でもある。これまでは、危機が生じる度に首相辞任で事態を収めてきた。その方法は大統領の責任意識を曖昧にするだけだ。首相が大統領を守る防弾チョッキの役割を担うことで、国政運営の問題点が改善されず放置されてきた。

現在、国会では新たな首相候補をめぐり可否の議論が行われている。しかし、それは時間の無駄でしかない。それよりは、この際、大統領の進退に関する突っ込んだ議論を行うべきではないか。

米国は朝鮮に核抑止力強化を強要している

リア・ノーボスチ

米国の欺瞞とアイロニー

ロシアのリア・ノーボスチ通信は8日、「米国は朝鮮に核の潜在力強化を強いている」と題する論評を掲載した。要旨は次の通り。

米陸軍が開発した(HTAAD、終末高高度防衛)ミサイル

米陸軍が開発した(HTAAD、終末高高度防衛)ミサイル

朝鮮の外相は核戦力の強化は米国との戦争を防止するための手段と呼んだ。朝鮮の政治家は、ワシントンが真剣に戦争の準備をしており、そのために南朝鮮に弾道弾迎撃ミサイルシステムであるTHAADを配備したがっていると考えている。朝鮮当局者たちは核問題に関して交渉の用意があると言明しているが、米国は様々な予備条件を持ち出すことで二国間対話の開始を妨げていると信じている。

朝鮮が米国が嘘をついていると非難しているが、それは、米国側が朝鮮半島での戦争演習を中止するならばその見返りに朝鮮側は核実験を一時中断する措置を講じるとする提案を米国が拒絶したからだ。

「今の状況は朝鮮の指導部を悩ませている。それは、過去1年半の間に有益な対話を進めようとする彼等のあらゆる試みが無視、拒否された事実と関係がある。にも拘わらず、朝鮮側は米、日、南朝鮮などすべての関係国に対し幾多の事態打開のための実践的な試みを行ってきた」-ロシア科学院・朝鮮・モンゴル部のアレクサンドル・ボロンツォフ部長はこう述べている。

ボロンツォフ氏によると、朝鮮への米国の侵略的意図を示すさらなる証拠は、1月のバラク・オバマのユー・チューブとのインタビューだった。

「1月22日、彼(オバマ)は北朝鮮を崩壊させ、南朝鮮に吸収させるのが米国の政策であると明言した。北朝鮮の人々は米国の侵略的政策は上辺だけのものではないと言う。朝鮮側に残された選択肢は、核抑止力の強化に主眼をおいた防衛力向上の集中以外にない」

この専門家はさらに言う。

米国としては、この地域での弾道弾ミサイル防衛システム構築を正当化するために朝鮮を悪魔化する必要がある。これは軍事専門家たちに言わせれば、実際にはロシアと中国を標的にしたものだが、朝鮮にとっては米国の行動は朝鮮半島における核の圧力を増大させるだけである。制裁、孤立化の圧力強化と朝鮮の核能力強化は正の相関関係にあることは明白だ。

ラ・ホルナーダ

人種主義に基づく警察の殺人

一大人権危機に直面する米国

メキシコの新聞、ラ・ホルナーダは8日、「米国:警察の暴力と人種主義」と題する記事を掲載した。以下は要旨。

7日、ワシントン・ポストが行った調査発表によると、過去5ヶ月の間に米国内で少なくとも385人が警察に銃で撃たれて死んだ。

報告は、特に少数民族(アフリカ系アメリカ人やラテンアメリカ系住民)に対する米国の警官隊によるひどい権力乱用問題が国民的な議論の中心になり、そのことで全国各地の都市で暴動が発生している最中に明るみに出た。

ここではとりわけ、米国のかなりの部分を占める警察部隊による人種差別主義的暴力の制度的性質を示している。最近ではかかる暴力的特質が原因で殺人行為が頻発しているが、概ね不起訴に終わっている。昨年4月9日に公表されたデータによると、各州で警官によって射殺された12人のうち7人が黒人、3人がメキシコ人であった。その後、メディア報道で最も有名な事件として脚光を浴びたのは昨年8月にミズーリ州のファーガソンで発生したマイケル・ブラウン殺人事件だった。

これらの事件の共通点は、犠牲者は殺害された時点では武器を所持しておらず、殺人者に対し重大な脅威を与えたわけではないというところにある。加えて、郡や州当局ではないにしても公安機関は殺人者(警官)を匿い保護しようとした。これらの事件すべてにおいて実行された、米国内の少数民族への典型的な攻撃に相当する人種主義的、階級差別主義的なパターンを無視することはできない。

米国が今、明らかな人権の危機に瀕しているにも拘わらず、初のアフリカ系アメリカ人である現職の大統領も、政治的支配層も現況の深刻さに気付いているようには見えない。米国では様々な不安定要素が、国民の周縁の階層に対する警官隊の構造的な暴力となって表出している。こうした法的、経済的、社会的、そして文化的要素は是正されなければならない。

米国は行動を起こさなければ、制御できないシナリオの助長に加えて、今のところは幾つかの分野に限定されている暴力の勃発を増殖させ促すリスクを増大させることになろう。それは、世界的規模での人権擁護のモデルを自認する米国にさらなる汚名をもたらすことだろう。

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