wamで若い世代のための「慰安婦」展


性奴隷制のシステムと実態、伝えて

戦後70年の節目を迎えている今、日本は過去の侵略戦争に対する反省はおろか、加害の歴史を隠蔽、わい曲し、戦争責任をいまだ回避しようとし続けている。

こと日本軍「慰安婦」問題に関しては、昨年8月5日に朝日新聞が1990年代初めに掲載した「慰安婦」強制連行に関する一部の報道を取り消したことを右派メディアが激しく攻撃し、「強制連行はなかった」「世界に誤報を広げた」などと言い出す始末である。

「中学生のための『慰安婦』展+」の展示パネルの一部

「中学生のための『慰安婦』展+」の展示パネルの一部

東京・新宿区のアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)では現在、「中学生のための『慰安婦』展+」が行われている。日本軍「慰安婦」という性奴隷制のシステムと実態、その被害についてわかりやすく解説することで、若い世代をはじめ多くの人々に歴史の真実を知ってもらおうと企画された。

「中学生のための『慰安婦』展+」の展示パネルの一部。「慰安婦」を否定する政治家の妄言に対する反論が掲載されている。

「中学生のための『慰安婦』展+」の展示パネルの一部。「慰安婦」を否定する政治家の妄言に対する反論が掲載されている。

「戦争の反省生かして」

「中学生のための『慰安婦』展+」は2007年に行われた特別展のアンコール企画として、昨年7月から開催されてきた。

同展ではまず、日本軍がなぜ日本軍将兵のための慰安所を作ったのか、日本軍が「慰安婦」にする女性たちをどのように集めたのか、慰安所での管理や運営は誰がどのように行ったのか、戦後、「慰安婦」制度はどのように裁かれたのかなどについて、かつて日本政府が調査し発表した軍関係の資料370余点や、研究者や市民によって発見された資料や写真、被害女性たちへの聞き取りと民事裁判での証言、元日本兵の手記や証言など、これまでの調査・研究を手がかりに明らかにした。

また、アジア各地の被害女性たちの証言、「慰安婦」問題解決のための国際社会や国連人権機関のさまざまな動き、「慰安婦」制度の刑事責任と国家責任を裁いた女性国際戦犯法廷(2000年12月、東京)とこれを取り上げたNHK番組改変事件、教科書の「慰安婦」記述後退問題などについても紹介されている。

朝日新聞の誤報問題が社会的に大きな関心を集めた昨年8月以降、wamへの来館者は以前よりも増えている。「中学生のための『慰安婦』展+」も好評につき、会期を延長した。

しかし、一方で「慰安婦」問題自体が虚偽であったかのような世論がものすごい勢いで社会に浸透している現実は、問題解決に取り組む人々に重くのしかかっている。

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