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〈取材ノート〉FISMレベル

2013年07月13日 13:26 コラム

取材ノート「朝鮮マジックのレベルは高い」。米国人マジシャンのデイル・サルワーク氏の言葉だ。60年以上の伝統を誇る世界最大のマジック協会であるFISMのドミニコ・ダンテ会長(イタリア人)も、「FISMレベル」(世界水準)だと認めている。

朝鮮は昨年、FISMに加盟。その影には在日同胞マジシャン・安聖友さんの努力があった。デイルさんもダンテ会長も、これまで朝鮮を訪問しているが、それも安さんがセッティング。すべては、朝鮮マジックの世界進出のためだった。

「6年越しの夢が叶った」。昨年末、安さんは平壌で感慨深くFISM加盟を振り返っていた。マジックのレベルではなく、各国理事たちの朝鮮への無理解をいかに解消するかに苦心した。

朝鮮の新加盟にあたりFISMでは、特別な盾を作り贈与した。異例中の異例の措置だったが、ダンテ会長からの配慮だったという。

マジックを通じて祖国統一に寄与したいと常々話す安さんは現在、釜山の大学でマジック科専任教授として後進の育成に励んでいる。南の地で教壇に立つことへのハードルは高かったが、朝鮮学校を卒業したことが、大きなアドバンテージになったという。

日本から南へ、そして北へ。在日同胞だからこそできることがきっとある。

余談ではあるが、世界各国を飛び回るダンテ会長。とある取材の席で記者から飛んだ「どこの料理が一番おいしかった?」の質問に、「平壌で食べた冷麺」と答えたという。胃袋まで朝鮮に魅了されたようだ。(茂)

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