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〈取材ノート〉孤独な闘いにしないで

取材ノート愛知県では現在、愛知朝鮮中高級学校の生徒(当時)、卒業生たちが原告となり国を相手取った裁判が行われている。原告らは、「高校無償化」制度から自分たちだけが除外され、差別されたことに対する慰謝料支払いを求め訴訟を起こした。

4月16日、第1回口頭弁論が名古屋地裁で行われた。そこで異様な光景を見た。

弁護士と共に法廷に立った原告らは、一角を高いパーテーションで仕切り、姿を隠していた。これは原告の素性が特定され危険な目にさらされないよう、彼らの身辺安全を配慮して取られた措置だ。

訴訟が提起された当時、まだ高級部の生徒だったある原告の女性は、「法廷に立つことへの不安はある。就職や進学など今後の人生への不条理な差別のみならず、悪質な危害を加えられないか怖かった。それでも、朝鮮学校生徒たちが差別され続ける現状を許すことができない。これが私のたたかい方だと思っている」と語っていた。

10代の彼女が、どれほどの覚悟でこの法廷に立とうとしているのか。その気持ちを思うと胸が締め付けられた。

この日、原告たちは法廷で、日本で生まれ育った在日朝鮮人にとって朝鮮学校がいかに大切な場所か、そこで過ごした日々や出会った仲間の存在などを、自分の言葉で切実に訴えていた。

かすかに震える彼らの声が、法廷にいた裁判官や相手側弁護士、日本市民らにはどのように聞こえただろうか。

いま、朝鮮人としての尊厳を守るたたかいの第一線には子どもたちがいる。

法廷闘争が絶対に原告の孤独なたたかいにならないよう、継続的な支援を呼びかけていきたい。(周)