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〈高校無償化〉横浜弁護士会会長が声明発表

重大な人権侵害、決して許されない

「高校無償化」制度から朝鮮学校だけが除外されている問題で13日、横浜弁護士会の木村 保夫会長が「一部外国人学校を高校無償化制度の対象外とする文部科学省令の改正に反対するとともに、朝鮮高級学校を含むすべての外国人学校に対して、速やかに高校無償化制度が適用されることを求める会長声明」を発表した。全文は次のとおり。

1. 2010年3月31日、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(以下、高校無償化法)が成立し、同年4月1日から施行され、高校無償化制度が始まった。

しかし、朝鮮高級学校については、同制度開始と同時に高校無償化の対象とはされず、今日においてもその対象となっていない。

当会は、これまで2010年3月17日付で「『高校無償化制度』について、すべての外国人学校を対象にすることを求める会長声明」を発表し、朝鮮高級学校のみを高校無償化制度から除外することは高校無償化法の趣旨から許されないことを指摘している。

しかしながら、今日においてもなお、朝鮮高級学校は高校無償化制度からとりこぼされてしまっている。

2. このような状況に対し、一度は文部科学省において、朝鮮高級学校を含む全ての外国人学校を高校無償化制度の対象とすべく前向きに判断する旨の姿勢が示された。

ところが、近時、これが大きく後退し、朝鮮高級学校のみならず一部の外国人学校をそもそも高校無償化制度の埒外におこうとする省令の改正が具体的に進められている。

3. しかし、国家間に政治的な対立があることが、今まさに私たちの社会の一員として生活し、高等学校に通っている生徒に対する高校無償化制度を適用しないことの理由にはならない。つまり、そもそも高校の無償化は子どもの教育を受ける権利の問題なのであり、国家間の政治的な対立とは関係しないのである。

すなわち、朝鮮高級学校を含む一部外国人学校をそもそもの高校無償化制度から除外しようという省令の改正は、これらの学校に対する合理的理由のない差別であって、憲法14条の平等原則等に反し、教育機会の平等と母国語による民族教育を受ける権利を保障した子どもの権利条約28条、30条等に反すると言わざるをえない。

4. すでに国連の人種差別撤廃委員会は朝鮮高級学校を高校無償化制度から除外することについて「子どもの教育に人種差別を持ち込むものだ」と懸念を表明している。かかる省令の改正がなされるのであれば、それは人種差別撤廃条約が禁止する「人種的憎悪及び人種差別の正当化・助長」(4条)につながりかねないものであり、決して許されるものではない。

5. 現在日本には10校の朝鮮高級学校があり、そのうちの1校が神奈川県にある。また、今般議論されている文部科学省令の改正がなされれば、他の外国人学校も高校無償化制度から除外される可能性もある。このように一部の外国人学校に限って高校無償化制度を適用しないことは、県内に学ぶ一部の生徒を差別的に取り扱うことに他ならず重大な人権侵害であり許されない。当会としても、一部の外国人学校を高校無償化制度から除外しようとする文部科学省令の改正に反対するとともに、いまだ無償化がなされていない朝鮮高級学校を含むすべての外国人学校に対し、速やかに高校無償化制度が適用されることを求めるものである。

(朝鮮新報)