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「大きな交流の波」、桂川から九州へ、第2回「筑豊アンニョンハセヨ!コンサート」を開催して

2012年12月11日 09:25 暮らし・活動

 「東日本大震災の復興支援を日本人のためだけでなく、在日コリアンや他の外国人も含むすべての被災者のために行い、自分たちの暮らす筑豊で、音楽を通じて日本人と在日コリアンとの共生・共助を進めよう」

こうした趣旨のもと、昨年11月、福岡県嘉穂郡桂川町住民センターで開催された「筑豊アンニョンハセヨ!コンサート」は、出演した福岡朝鮮歌舞団、旧嘉飯山地区の退職教職員でつくる混声合唱団「コールアカシア」と、360人の観客が一体となった感動的なコンサートになった。

主催したのは、桂川町など筑豊の日本市民たち。スタッフもボランティアで協力した。

9月16日、第2回のコンサートが開かれた。今年も315人が会場に足を運び、客席を埋めた。

コンサート実行委員会事務局長の占部哲生さんの報告を紹介する。

 日朝の絶妙なコラボ

コンサートの幕開きは、出演者全員による「アンニョンハセヨ(こんにちは)」の合唱だ。ステージ中央に「コールアカシア」が並び、その前で着物姿の山川玉枝さんが演奏する琴の美しい音色が響く。その両側では、色鮮やかなチマ・チョゴリを着た福岡朝鮮歌舞団と歌手の裵由香さんが美しい歌声と軽やかな舞踊で観客をステージに引きつける。

「コールアカシア」は、中高年になじみ深い名曲「イムジン河」を、裵由香さんとの息の合った美しいハーモニーで歌い、観客を感動させた。

今回のコンサートで好評だったのは、日本の琴と朝鮮半島のカヤグムの共演による、童謡「海」と朝鮮民謡「アリラン」だった。桂川町在住のある女性は、「琴とカヤグム、二つの国の筝(そう)のコラボが素晴らしかった。どこかなつかしく、共鳴するするものがあった」と感想を残した。

それでも、「筑豊アンニョンハセヨ!コンサート」の主役は、やはり福岡朝鮮歌舞団だった。「チェンガンチュム(扇の舞)」「ムダンチュム(巫女の舞)」では、華やかな民族衣装に身を包み、輝く笑顔で天女のように舞い、カヤグムやチャンゴの見事な演奏を披露してくれた。「ホルロ・アリラン」では、声量豊かな美しい歌声で観客を魅了した。

嘉麻市のある女性は、「歌声、踊り、楽器演奏、チマ・チョゴリなど、すべてに感動し癒された。みなさんの一生懸命さが大好きです」と、うきは市のある女性は、「どの歌にもメッセージや心がこもっていて感動した。歌で元気をもらえた」と述べた。

コンサートのアンコール曲では、日本人にとっても在日コリアンにとっても懐かしい「筑豊の子守唄」だった。出演者全員がステージに並び、「コールアカシア」の指揮者が客席に向かって笑顔でタクトを振った。大合唱が始まると、福岡朝鮮歌舞団がステージ中央で創作舞踊を舞って盛り上げ、感動的なフィナーレとなった。

飯塚市のある男性は、「共生のテーマの如く、会場の一体感に温もりと優しさを感じた」と、筑紫野市のある男性は、「この催しの趣旨に比べて、竹島という岩のなんと小さいことか。今日は素晴らしい一日となった。大きな交流の波を感じた」と感想を記した。

今回、アンケートに協力してくれたのは、入場者315人中206人。そのうち、来年の第3回開催を希望し、連絡先を記してくれたのが80人だった。コンサートに対するみなさんの期待の大きさが伝わってきた。

私たちは、コンサート開催の趣旨を大切にし、アンケートに寄せられた思いをしっかり受け止め、これからもコンサートを続けていきたい。

私たちの願いは一つ。桂川町で始まった大きな交流の波が、直方へ、田川へ、北九州へと広がることだ。

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