公式アカウント

女性同盟西東京主催チョゴリファッションショー、民族の文化と伝統を表現

2012年12月06日 09:27 主要ニュース

女性同盟結成65周年を記念し

女性同盟西東京本部が主催したチョゴリファッションショーの様子

女性同盟西東京本部が主催する「『私たちの服-チョゴリ』ショー」が2日、東京都昭島市のホテル、フォレスト・イン昭和館で行われた。女性同盟結成65周年を記念し、民族の文化と伝統、魂を次世代に受け継ぐ大切さを伝えるために企画された一大イベントに、同胞や日本市民ら420余人が参加した。西東京でチョゴリショーが行われるのは12年ぶりだった。

「チョゴリを守る」

金剛山歌劇団の公演を見ながら昼食会を楽しんだ。

当日は、メイン会場でチョゴリファッションショーが行われ、豪華商品が当選する抽選会、西東京地域に拠点を置く金剛山歌劇団の演奏を聞きながらの昼食会など盛りだくさんの催しとなった。また会場では、同胞や日本人のブライダル業者により、チョゴリ、ジュエリー、化粧品の販売、ポイントメークとプチネイル、クイックマッサージやタロット占いの体験、祝いの場をもてなす餅ケーキの展示など、さまざまなブースが設けられた。また、女性同盟の65年の歩みを紹介する写真の展示も行われた。

「生まれて死ぬまで」の人の一生を表現したというチョゴリファッションショーでは、時代別のチョゴリ約90着が披露された。総聯本部委員長をはじめとする西東京の活動家、学生会の生徒や6つの女性同盟支部から選抜された老若男女の同胞61人がモデルを務めた。総勢124人のスタッフが関わったというショーは、朝鮮の古代から三国時代、高句麗時代、朝鮮朝時代のチョゴリ、死に装束のチョゴリ、そして子どもの誕生、朝鮮学校の入学式や卒業式、成人式、結婚式、還暦祝いなど、同胞生活におけるあらゆる場面で着られるチョゴリが披露された。それぞれの生活で在日同胞に民族の自覚と誇りをもたらしてきた色鮮やかなチョゴリが披露されるたびに、会場からは拍手が巻き起こった。

ブライダル業者にマッサージを受ける参加者

杖をつきながらステージに「孫役」と共に登場し、アドリブのオッケチュムで喝采を浴びたのは、女性同盟八王子支部第1分会の李且分さん(84)。12年前に女性同盟本部が主催したチョゴリファッションショー(当時の名称も「『私たちの服-チョゴリ』ショー」)にも出演した。膝が痛むため、今回は辞退しようとしたが、実行委員らの熱意に押され出演を決めた。「在日同胞の歴史を振り返ったショーは、非常に感慨深い内容で、ステージで涙が出た。また、南朝鮮大統領の妄動により朝鮮半島政治情勢の緊張が高まるばかりか、日本の景気もいつになく厳しいこの時代に、みなが子どもたちに民族性を引き継ごうと粘り強く努めていけるのは、女性同盟活動家たちのおかげだ。今回の出演を通じ、くじけないで前に進まねばという強い気持ちを、新たに持てた」。

朝鮮学校生徒が冬に制服として着る黒のチマ・チョゴリで舞台に上がったのは、東京朝鮮中高級学校の朴京夏さん(高2)だ。チョゴリに袖を通すたびに過去から受け継がれてきた先代の精神を感じるという朴さんは、「もっと多くの人にチョゴリを知ってもらいたい。そのためにも私たちが制服として着続けて、チョゴリを守っていきたい。そのような気持ちを持つことが朝鮮人としての証だから」と語った。

「幅の広さ感じた」

チョゴリファッションショーではトルチャンチの再現も行われた。

今回のイベントのため、女性同盟西東京本部では昨夏に企画を立て、今年3月に実行委員会(委員長=李順姫・女性同盟西東京本部委員長)を立ち上げた。6つある女性同盟支部(中部、東部、南部、西部、八王子、町田)の役員を中心に構成された実行委では、朝鮮半島の民族衣装であるチョゴリの柔らかい曲線、鮮やかな色彩、美しい心に触れてもらいたいという思いで今回のイベントを企画。イベントでは、チョゴリを通して朝鮮の悠久な文化や在日同胞の生涯、そして異国の地で守り受け継がれてきた民族の魂を表現した。また、チョゴリを纏う(まとう)たびに民族の誇りに包まれ、自らの文化や伝統を大切にし、相手を思いやる心を紡ぐことの重要性を強調した。チョゴリファッションショーで披露されたチョゴリは、同胞業者の協力を受けた。

実行委ではまた、チョゴリの歴史などについて深く知るため、専門家を招き、「チョゴリの心」と題した講演会を約30人参加のもとで6月に催し、チョゴリの歴史や色彩、曲線の持つ意味をしっかりと学んだ。今回のイベントに向けて、文化教室を新たに結成する女性同盟支部もあったほど、イベント準備は盛り上がりを見せた。行事にかかる経費を捻出するための活動も行われたという。

色とりどりのチョゴリが披露された。

イベントには地方から駆けつけた同胞も参加した。兵庫県在住の金英玉さん(63)は、「同胞の生涯に焦点を当てた企画に共感を覚えた。女性だけのイベントではなく、学生や朝青員、アボジや日本の人たちもチョゴリショーに出演していたため、西東京同胞社会の幅の広さも感じた」と語った。

「きものコンサルタント」の資格を持つ、橘かおるさん(35)はチョゴリファッションショーを見て、「チョゴリの色がシチュエーションに合わせて配色されていることに意表を突かれた。在日朝鮮人女性の芯の強さも現れていた。今後、着物とチョゴリを着たモデルが同時に歩くようなショーも見てみたいと思った」と話した。

抽選会で特等に当選した李由梨さん(47)は、女性同盟西東京・東部支部西部分会で副分会長を務めている。朝鮮大学校に通う子どもがファッションショーに出演した関係で埼玉県に住む親類を会場に呼ぶことができたと喜び、同胞ブライダル業者の多さと、歌劇団の公演を見ながらの優雅な昼食会が印象深かったと述べ、「民族性を守っていくため、ひとりでも多くの子どもに民族教育を受けさせたい。そのための分会活動も模索していきたい」と抱負を語った。

(李東浩)

Facebook にシェア
LINEで送る