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〈取材ノート〉「ウリ」にベタ惚れ

2012年08月01日 14:03 コラム

ある取材がきっかけで知り合った日本の某出版社の編集部の方がいる。最近はちょくちょく連絡を取ったり食事をしながら互いの情報交換をしたりもする。大阪の朝鮮高級学校のサッカー部を題材にした本を作りたいと朝鮮学校の取材を重ねるうちに、ウリハッキョにベタ惚れしたそうで、次は他の角度で在日に関する書物を出版できないか模索中だというのだ。

取材ノートそれだけではない。在日の歴史の話しに真剣な表情で耳を傾け、ときには同胞たちの面白話に腹を抱えて笑い、「それでそれで?」とさらに食らいついてくる。朝鮮文化にも興味を持ち始めたそうで、好みの色で組み合わされたチマ・チョゴリをオーダーメイドし、額縁に収めて家に飾るほどの惚れ込みよう。

そのすべてのはじまりは、ウリハッキョとの出会いだった。それまであまり関心を寄せていなかったウリハッキョ。そこに通う生徒たちの「アンニョンハシムニカ」が彼の心を揺さぶった。「こんなに純粋で礼儀正しい生徒がいるのか」と。

記者活動をはじめて数年も経たないが、在日や朝鮮学校を知らなかった人、多少なりの偏見を持っていた人が、互いに知り合うことで深く感銘を受ける姿を数多く見てきた。

ウリハッキョの子どもたちはすごい。その方に「在日をテーマにした書籍の出版をライフワークにしたい」と言わせる力を持っているのだから。これがウリハッキョ、同胞社会を守っていくことにつながると思うと心が踊る。こういう一つひとつの出会いをこれからも大事にしていきたい。(梨)

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