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〈日本政府の大罪・遺骨は語る 4〉福岡・日向墓地

2005年05月31日 00:00 主要ニュース
炭鉱で命を落とした朝鮮人の墓標。一つひとつに花が捧げられている(日向墓地)

炭鉱で命を落とした朝鮮人の墓標。一つひとつに花が捧げられている(日向墓地)

福岡県田川郡添田町の日向峠、生茂る雑木林の中の薄暗い場所に小さな石が散在している。一見「ただの石」にしか見えないが、実は炭鉱労働で命を落とした朝鮮人の墓標だ。37基あるとされている。この公営墓地の一角に整然と並べられた、地元住民のペットの墓との格差に衝撃を受ける。

日向墓地と呼ばれるこの場所はかつて、古河大峰炭鉱のボタ山(選炭後に捨てられた不必要な石が積もってできる山)だった。大峰炭鉱では1944年、朝鮮人坑夫がリンチによって殺害される事件があった。上半身を裸にされ皮ベルトで殴り殺されたという。

朝鮮人坑夫たちの労働環境は劣悪で、逃亡を防ごうと監視が厳しく、リンチも多かったという。企業は朝鮮人が亡くなった場合には葬儀すらせず放置。貧しい朝鮮人たちは仲間の遺体を山に埋めることしかできず、目印にボタ石を置いた。

戦時中、麻生炭鉱で朝鮮人坑夫とともに働いていたある日本人は、事故で瀕死の朝鮮人坑夫を「いずれ死ぬから」と生き埋めにした現場を目撃したという。

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